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2008年02月05日(火) 16時29分

大阪市裏金 サボテン、ビタミン剤、高級自転車… 「差引簿」に使途記載産経新聞

 大阪市の裏金問題で、大阪市東住吉区の歴代の選挙担当者が、公費から捻出(ねんしゅつ)した裏金5110万円の使い道を示した「差引簿」のなかには、サボテン(平成6年6月、1000円)、高級自転車(6年3月、4万1000円)、ビタミン剤(7年3月、2600円)など、公費として認められがたい項目が、多数記載されていることがわかった。

 同区役所の裏金の支出を記載していた「差引簿」によると、支出が明らかに不適当とみられる項目は、裏金作りが始まったとされる平成3年から、支出のピークだった7年前後にかけてが多い。工業調査員(犬かまれ)見舞い(3年4月、2200円)、盆栽植木(5年6月、7380円)、観葉サボテン台(5年10月、4510円)、ボウリング宴会(6年2月、4万7500円)、ボウリング帰りのタクシー代(6年3月、3103円)、野球場借り上げ賃(6年6月、3000円)なども、支出項目として明記されていた。

 その後同区役所では、14年度に223万円だった支出が、15年度には24万円まで激減したうえ、支出項目も地域振興会助成金(15年9月、5万円)、委員会お茶代(15年8月、2万6720円)など、一見公費での支出にかなうような項目が目立つようになり、組織的に裏金の支出に一定のブレーキが働いたことをうかがわせる。しかし選挙うちあげ(12年12月、12万4453円)などには、相変わらず支出されていたようだ。

 18年3月には、通帳自体が解約され、現金は区役所の金庫に保管されており、不適切なプール金との認識は強まっていたとみられる。

 一方、差引簿では計5110万円の裏金のほぼ全額が公金から捻出されたことになっていたが、捻出手法は、架空や水増しされたとみられる消耗品費、食糧費2200万円、アルバイト賃金1370万円、統計調査員手当や統計調査関係費など1270万円など−となっていた。

 市幹部は「現在の公金支出の感覚から言えば、恥ずかしいが、当時としては罪悪感はそれほどなかったのではないか」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080205-00000112-san-soci