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2008年02月03日(日) 21時45分

中国製ギョーザ、回収6袋の包装外側から殺虫剤…兵庫読売新聞

 中国製冷凍ギョーザによる中毒問題で、兵庫県警は3日、同県高砂市の一家が食べたものと製造日や銘柄が同じ製品を鑑定した結果、新たに6袋の包装袋の外側から有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が検出されたと発表した。

 袋の内側やギョーザはまだ鑑定していないが、うち1袋には直径約1ミリの穴が二つ開いていた。千葉、兵庫両県で10人が被害に遭ったギョーザ以外からメタミドホスが検出されたのは初めて。

 同県警によると、メタミドホスが検出された6袋は、高砂市の一家3人が今年1月5日に食べたのと同じ「中華deごちそう ひとくち餃子(ギョーザ)」で、製造日も同じ昨年10月1日だった。

 県警が今月3日、輸入仲介商社の双日食料(東京都港区)から任意提出を受けた26袋の中に含まれていた。うち1袋には、袋の四隅に近い部分の表と裏にそれぞれ直径約1ミリの穴が開いていた。トレーやギョーザに穴や傷はなかった。この6袋にメタミドホスが付着したのは、袋詰めの後だった可能性が高く、県警は、付着するまでの経緯の特定を急いでいる。

 輸入元のジェイティフーズ(JTF)の親会社・日本たばこ産業(JT)によると、問題の6袋は、昨年12月27日に大阪府枚方市内のスーパーから「パッケージの外側がねばねばしていて異臭がする」という苦情があったため、同28日、この店にあった11袋を回収した。今年1月7日に食味検査をした結果、異常は確認できなかったため、詳しい検査をするよう、うち6袋を双日食料に、3袋を都内の検査機関に、残る2袋は、ギョーザを作った中国河北省の天洋食品に送ったという。同県警がメタミドホスを検出したのは、双日食料に渡った6袋だった。

 双日食料によると、検査機関から包装袋の付着物について「リン酸系の油とみられる」と連絡があったのが1月18日。さらに同22日に「化合物が混ざり合っているため、具体的な物質の特定は難しい」との報告があり、JTにも連絡した。

 JTは「リン酸化合物は合成洗剤にも含まれているため、この段階では洗剤などの可能性もあると考えていた」としている。

 一方、千葉市の母娘が昨年12月28日に中毒になった製品と、千葉県市川市の一家5人が今年1月22日に中毒症状を起こした製品は、昨年10月20日に製造されたもので、包装袋には異常は確認されていない。警察当局は10月20日に製造されたギョーザには、別ルートでメタミドホスが混入した可能性もあるとみて調べる。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080203-OYT1T00307.htm