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2008年02月03日(日) 03時10分

東京のIT会社、消費税100億円の過払い装う読売新聞

 インターネット関連会社「URL.TV」(東京都調布市)が、動画配信システム開発のためのノウハウを高額で仕入れたように装い、2006年12月期に約100億円の消費税の還付を受けようとしたとして、東京国税局から不正な還付申告を指摘されていたことがわかった。

 同国税局はノウハウに経済的価値はなかったと判断。還付を認めなかっただけでなく、同社に重加算税を含めて約134億円を追徴課税(更正処分)した。これほど巨額な不正還付申告が明らかになるのはめずらしい。

 URL社は処分を不服として異議を申し立てたが、昨年11月に退けられた。

 関係者によると、URL社は、ブロードバンド(高速大容量通信)を利用した動画配信システムの開発にあたって、ノウハウを関連会社「ブロードバンドテレビ」から2000億円で仕入れ、同社に100億円の消費税を支払ったように会計処理。一方で、このノウハウを利用して製作した機器の売上高は2〜3億円で、購入者からは1000万円強の消費税しか受け取らなかったとして、差額の100億円近くの消費税を還付するよう申告した。

 URL社会長(68)は、ネット検索最大手グーグルが米国の動画投稿サイト大手ユーチューブを買収した際の買収額が約1960億円だったことを引き合いに出し、「考案したノウハウには2000億円の価値がある」と主張したが、東京国税局はノウハウには中身がなく、ほとんど価値がないと判断。還付を認めなかった。

 ノウハウを仕入れたとする関連会社は、URL社会長らが出資し、別の役員が社長を務めており、所在地も同じ場所だった。2000億円は実際には支払われず、関連会社も未収金扱いにしているなど不自然な点があったことも、還付が認められなかった背景にあるとみられる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080203-00000002-yom-soci