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2008年02月03日(日) 20時22分

冷凍ギョーザ6袋からメタミドホス 「表面べとべと」朝日新聞

 中国製冷凍ギョーザによる薬物中毒事件で、兵庫県警は3日、輸入仲介商社「双日食料」(東京都港区)から提出を受けた、同種商品の6袋を調べたところ、いずれもパッケージの表面から有機リン系農薬成分「メタミドホス」が検出されたと発表した。うち1袋のパッケージの裏と表には穴(直径約1ミリ)が開いていた。6袋は兵庫、千葉両県で中毒が起きた商品と同じ製造月日。中毒被害にあった家族以外の商品からメタミドホスが検出されたのは初めて。

 県警は、パッケージの表面から検出されたことから、天洋食品廠公司(中国河北省)の工場でギョーザが袋詰めされた後に一度に付着した可能性があるとみて、千葉の商品との製造・流通過程の共通点についても調べている。

 調べなどによると、ギョーザは「中華deごちそう ひとくち餃子(ぎょうざ)」(20個入り)。昨年10月1日に製造され、11月2日、ほかの商品のギョーザとともに計2.13トン(約8200袋)が段ボール箱に梱包(こんぽう)されて中国・天津港から船便で出荷され、11月6日に大阪港に陸揚げされた。その後、段ボール箱のまま136業者に届けられ、小売店に並んだ。

 メタミドホスが検出された6袋は、大阪府枚方市内の小売店に卸された。しかし、パッケージの表面が「ベトベトしている」「油状の液体が付着し、異臭がする」などというクレームがあり、昨年12月28日、輸入元の「ジェイティフーズ」の大阪支店(大阪市北区)に返品され、1月8日に輸入を仲介した双日食料に戻された。

 今回見つかった穴はパッケージ左端にあり、針のようなものが貫通したような形だった。兵庫県高砂市の親子3人が中毒を起こした商品のパッケージでも幅約3ミリの穴(幅約3ミリ)が見つかっているが、場所や形状が異なっているという。

 県警は双日食料が冷凍庫に保管していたこの6袋の提出を受け、鑑定していた。中身のギョーザはまだ鑑定中で、別に提供を受けた20袋についても調べている。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0203/TKY200802030099.html