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2008年02月02日(土) 12時01分

中国製ギョーザ中毒:仙台の15人、被害訴え 石巻の家族も症状 /宮城毎日新聞

 仙台市は1日夜、問題化しているジェイティフーズの中国製冷凍ギョーザを食べた市民15人が、下痢やめまい、嘔吐(おうと)などの症状を訴えたと発表した。このうち、若林区内の3人は医療機関に通院した。また、県も、石巻市の家族4人が「みやぎ生協」の宅配した「CO・OP手作り餃子」を食べた後、腹痛などの症状が出たと公表した。いずれも回復している。1日夜時点で県は、有機リン系中毒の疑いは薄いとみているが、県内でも影響は広がっており、引き続き、情報収集を進めている。【青木純、比嘉洋】
 今回の問題で、県の各保健所には、他の食品によるとみられるものなども含め、「体調を崩した」との相談が1日午後1時までに8件寄せられた。仙台市の各区保健福祉センターに寄せられた相談は1日午後5時現在で34件に達し、うち体調不良を訴えたのは12件20人。
 回収対象になっているジェイティフーズのギョーザを食べたとするのは、この20人のうち15人。昨年8月ごろから先月下旬にかけて食べ、一連の報道などを受け、30日以降にセンターに連絡した。
 この15人に関しては既に当該商品は残っておらず、成分検査は困難という。また、県は腹痛などを訴えた石巻のケースで、残りのギョーザを検査したが、殺虫剤成分は検出されなかった。
 県は今回の事件を受け土・日曜日の2、3両日も、9保健所・支所と県食と暮らしの安全推進課(電話022・211・2643)で相談を受け付ける。また、仙台市もホームページなどで市民に注意を呼び掛けているほか、市食品衛生協会に対し、食品関係事業者へ注意喚起するよう要請した。
 県によると、学校給食関連では、県内の1幼稚園と5小中学校、2給食センターの計8施設が昨年4〜11月、ジェイティフーズの扱った該当工場製冷凍食品を入荷していたことが新たに分かった。いずれも給食に使用されたが、健康被害の報告はなく、県の検査では在庫品から中毒の原因物質「メタミドホス」は検出されていない。
 県スポーツ健康課は昨年11月以降についても、該当工場で作られた冷凍食品が学校給食に使われたかを調査している。同課は「数校で使った実績があるようだが、これまでに健康被害の報告は出ていない」としている。
 回収の動きは、県内の業者にも広がり、問題となっている中国の工場で加工された牛タンを利用していたとして、同市宮城野区の食品製造業「アオキ」と、若林区の食肉製品製造業「ジオラ」は一部商品の自主回収を始めた。

2月2日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080202-00000105-mailo-l04