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2008年02月02日(土) 12時01分

中国製ギョーザ中毒:「何を食べたら…」 中国製へ不安広がる /千葉毎日新聞

 「何を食べれば良いのか」「早く原因を解明して」——中国産冷凍ギョーザによる中毒問題で、県内の各自治体には1日も消費者からの相談が相次いだ。中には保健所などに直接、購入した商品を持ち込む人も。被害はどこまで広がるのか。中国製食品に対する不安が広まっている。
 ◇相談、2日間で72件−−県内
 県衛生指導課によると、「天洋食品」(中国)で製造されたギョーザなどの商品を食べて下痢や嘔吐(おうと)の症状が出たという相談は、市町村で28件。1月31日と合わせ、2日間で72件に上った。このうち3件は相談者の手元に商品が残っていた。県は商品を回収し、県衛生研究所(千葉市中央区)で有機リン系殺虫剤「メタミドホス」の混入について調べている。
 文部科学省の指示を受け、学校給食についても調査。県教委によると、1日までに回答があった25市町村、373小中学校などと、15県立学校で今年度、回収対象商品を使用したのは13市町村の101校。ロールキャベツやポークピカタが主で、ギョーザは使用されていなかった。
 流山市では31日、納入業者がジェイティフーズ製のミートボールを自主回収したため、小中5校分(2000食)の献立が変更された。ミートボールは国産だったが、業者側が配慮した。山武市でも当面ギョーザは使用しないという。私立学校については、県学事課が516校に対し調査を依頼。1日に回答があった35校で回収対象商品の使用はなかった。【神足俊輔】
 ◇返品相次ぐ−−コープ市川店
 薬物中毒を起こした市川市の一家5人が冷凍ギョーザを購入したコープ市川店(市川市鬼高)では、商品の返品が相次いだ。夕方までに問題の冷凍ギョーザは13個、それ以外の冷凍食品は41個が持ち込まれた。
 店内では各メーカーの自主回収の対象商品を店員がチェック。陳列ケースから撤去するとともに、利用者に対し食べずに返品するよう店内放送やチラシなどで呼びかけた。新たにカレーやかつとじ丼など5種類が回収対象であることが判明、いずれも問題の冷凍ギョーザを製造した「天洋食品」で原材料が作られていた。
 同店を運営するちばコープの新林建次・営業企画部長は「回収の対象商品が増えているので、お客様に正確な情報を伝え、回収に向けて全力を注ぎたい」と話した。
 買い物に来た船橋市本中山の女性(60)は「商品を買う場合は必ず食品表示を見て、中国産は買わないようにしている。安いのはたいがい中国産だが、前から問題を起こしていたので信用できない」と不安を話した。
 コープ花見川店(千葉市花見川区)でも、店員らが返品や問い合わせに対応。川上保史店長は「本部と密接に連絡を取り、積極的に情報を提供して不安の解消に努めたい」と話した。【袴田貴行、駒木智一】
 ◇「危機対策班」設置−−千葉市
 千葉市は、中国産冷凍ギョーザによる健康被害の拡大防止策を検討する「食中毒健康危機対策班」を設置した。
 生活衛生課が事務局となり、市立青葉病院長ら11人で構成。1日、市環境保健研究所(同市美浜区)で開かれた第1回会合では、これまでの経緯と各部課の対応を確認し合った。
 市民からは「購入した冷凍食品を保健所で検査してほしい」という問い合わせが寄せられているといい、中には直接、持ち込む人も。同課の岡本明課長は「事前に連絡してから、当該品を持ち込んでほしい。市のホームページで情報を提供するなど、市民の不安解消に努めたい」などと話した。【斎藤有香】

2月2日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080202-00000070-mailo-l12