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2008年02月02日(土) 11時00分

中国製ギョーザ中毒:症状申告、18人に 困惑深める県内外食産業 /栃木毎日新聞

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、県内でギョーザを食べた後、何らかの症状を訴えたとの申告は、1日までに新たに13人増え計18人になった。このうち栃木市の女性(57)は6日間入院していた。食べ残しが保管されており、県保健環境センターが2日から検査する。一方、宇都宮市に本社を置く外食関連企業も、中国産食材をどれだけ使用しているか、商社やメーカーに確認するなど対応に追われた。【沢田石洋史、塙和也】
 県と宇都宮市によると、保健所への新たな申告は8家族・13人。このうち、少なくとも3人は腹痛やめまいなどを訴え、医療機関で受診した。
 入院した栃木市の女性は1月2日夜に家族5人で食べ、女性だけが約4時間後に嘔吐(おうと)や歩行困難などの症状が出た。5日後に入院し、医師は急性胃腸炎と診断しており、他の申告分も含め、ギョーザとの因果関係は不明。また、生協を除く県内44店舗で問題の「手包みひとくち餃子」が販売されていたことが分かった。
 また、事件により、中国産食材全般に対する不信感が増幅されているだけに、外食産業は困惑の度を深めている。
 東証1部上場で全国に約200店舗を展開する「元気寿司」は、食材の約3割が中国産。仕入れでは社員が現地に直接出向いたり、衛生検査室でサンプリング調査をして安全確認を徹底してきた。しかし、「消費者が今後、中国製の食品を受け入れない事態になりかねない」と懸念している。
 外食大手チェーン・コロワイドの連結子会社で、レストラン「ステーキ宮」や居酒屋など約200店舗を展開する「ジクト」は「商社を通じ、食材の原産地を調査中。結果が出てから対応していく」と話す。ギョーザを提供している一部店舗では、安全性を知らせる掲示を張り出しているという。
 一方、中国料理専門店や「石焼ラーメン火山」など約30店舗を持つ「雅秀殿」によると、ここ数年、食材の国産化と地産地消に取り組んできた。しかし、「タケノコなど中国産の原材料を全く使わないのは難しい」。今回の事件を受け、客から食材の問い合わせがあった場合、説明用のマニュアルを用意するなど対応に追われた。

2月2日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080202-00000014-mailo-l09