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2008年02月02日(土) 13時56分

原油高騰より熱いチョコ熱読売新聞

百貨店「プロの技」教室特設会場平均単価1700円
1粒ごとに技巧を凝らしたチョコレートばかりで、宝石のように美しい(山形屋で)

 バレンタインデー商戦が始まった。今年は原油高騰のあおりを受けて、チョコレートは値上がり気味。ただ、女性同士が贈り合う「友チョコ」や自分のご褒美として購入する「マイチョコ」ブームもあり、拡大する消費を取り込もうと、デパートなどは華やかな売り場作りや高級ブランド商品で客を迎えている。

 1日、三越鹿児島店7階はチョコレートの甘い香りと女性の熱気に包まれた。菓子職人による手作り教室には、プレゼントの予行演習にしようと28人が参加した。口当たりを軽くするための生クリームを泡立てたり、チョコレートを裏ごししたりとプロの技を学んだ。

 今年は、カカオ豆や乳製品などの原材料価格の高騰で、例年より10〜15%高かったり、容量が少なかったりするという。ただ、同店和洋菓子ショップマスターの西牟田桂介さんは順調な売り上げなどから「この時期、ふだんは入手困難な海外のブランド物の品ぞろえを増やしてオリジナル商品を販売するので、チョコ好きの客にとってあまり値上げは気にならないようだ」と分析する。

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 山形屋では同日から、地下に特設売り場を設け、「贈って幸せ、もらって幸せ」をテーマにした国内外の62ブランド611種類をそろえた。最近は、仕事帰りの男性が自分用に高級品を買う姿が目立ち、カカオの配合率など商品知識も豊富(同社食品仕入部)という。そんな多様な需要を反映して、天然塩を振りかけた塩味チョコなど昨年より4ブランド30種類を増やした。

 平均単価は約1700円で、市内の女性会社員(26)は「表面に細かな文字や絵柄がプリントされていたり、美しいパッケージがあったりして、見ているだけで楽しい。自分用に数種類買い集めて、じっくり楽しみます」と話した。

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 アミュプラザ鹿児島では、飲食店が14日まで、ハートをあしらった器に料理を盛りつけた特別メニューを準備するほか、店内をキャンドルで彩る趣向も凝らすという。同店は「お客さんの舌が肥えている今、バレンタイン商戦は“甘くない”闘いです」と気を引き締めた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20080201-OYT8T00664.htm