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2008年02月02日(土) 10時12分

中国製ギョーザ中毒事件直前、JT株が下落 内部情報漏洩か、監視委が調査産経新聞

 中国製ギョーザ中毒事件で、日本たばこ産業(JT)の子会社で輸入元の「ジェイティフーズ」(東京都)が商品の自主回収を公表する2日前、JTの株価が急落していたことが分かった。JTは、ギョーザを食べた5人が中毒になったと連絡を受け、対策を検討している最中で、この間に内部情報が広がった可能性もあり、証券取引等監視委員会がインサイダー取引がなかったかどうか調査に乗り出した。

 一連の中毒問題を公表する2日前の1月28日、JT株の終値は前取引日の25日と比べ、約5万円下げて56万2000円となり、約1割も下落した。出来高も5万2602株と、昨年5月24日以来、5万株を突破した。

 JTなどによると、JTは今年に入り、問題の冷凍ギョーザの販売元、日本生活協同組合連合会(生協)から、昨年末に千葉県市川市で中毒事件があったことを知らされた。

 また、この事件について千葉県警から1月29日に捜査協力を求められたことから、社内で対応を協議。同日中に製品の自主回収を決め、30日に公表した。この間、生協側と細菌検査の結果について連絡を取ったり、兵庫県で起きた別の中毒事件について、同県などと連絡を取ったりしていた。監視委は、こうした過程で内部情報が広がった可能性もあるとみている。

 JTの株価が急落した1月28日の東京株式市場は、日経平均株価の終値が前週末に比べ541円25銭安の1万3087円91銭で引けた。JT株は年明け以降、下落傾向が続いていた上、この日は東証1部銘柄の約8割が下落していた。監視委はこうした市場の動きを含め、JT株価の値動きについても、慎重に調査を進めるものとみられる。

 JT広報部は、「株価は投資家の判断に委ねられており、当社の社員が不正取引にかかわったとは考えていない。証券取引等監視委員会からのアプローチがあったかどうかを含めて承知していないが、現時点で社内調査の予定はない」と話している。

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