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2008年02月02日(土) 10時07分

毒物出ず究明難航 九州各地原因調査 中国製冷凍ギョーザ西日本新聞

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、1日も体調不良を訴える被害が九州各県で相次いだ。累計は福岡で約100人、大分で60人超、熊本でも40人に上る。食べ残しを入手できた分については、千葉、兵庫両県で検出された有機リン系の毒物は出ていないが、多くは現物がなく、症状も治まっているため、原因の特定が難航している。

 問題発覚後、計61人が嘔吐(おうと)や下痢などの不調を訴え出た大分県では、昨年11月に中国製ギョーザを食べた女性が今年1月まで約1カ月間、激しい下痢で入院していたことが判明。残りを回収したものの、有機リン系の「メタミドホス」は検出されなかった。

 熊本県と熊本市は、1月31日までに体調不良を届け出た19人のうち、現物や包装が残る計8商品を検査。このほか、千葉の事件の原因商品と同じ時期に製造された未開封のパックも調べたが、いずれも問題の毒物は検出されなかった。

 宮崎県でも1月31日に被害を訴え出た3人について、残っていたギョーザを調べ、毒物は検出されなかった。

 有機リン系の毒物は食べた直後に吐き気を催すのが特徴とされる。長崎県では、10件の被害のうち3件は発症時期が異なるなどの理由で、今回の事件とは無関係と断定したという。同県生活衛生課は「この時期、流行するノロウイルスやインフルエンザも同様に吐き気などを催すので紛らわしい。被害の訴えは1つ1つ、慎重に調べる必要がある」としている。

=2008/02/02付 西日本新聞朝刊=

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080202-00000008-nnp-soci