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2008年02月02日(土) 06時12分

ギョーザ中毒 不調訴え東北111人に河北新報

 中国製ギョーザによる中毒で、中国の天洋食品が作った回収対象の食品などを食べ、体の不調を訴えた人が東北6県で111人に増えたことが1日、分かった。さらに増加する公算が大きい。各県の調べで、問題の食品の流通実態も徐々に明らかになっている。

 不調を訴えた人は県別に、青森34人、岩手8人、宮城26人、秋田15人、山形13人、福島15人。
 各県などによると、石巻市の男性(52)ら家族4人は1月29日夕から30日朝にかけ、「CO・OP手作り餃子(ぎょうざ)」を食べ、下痢や腹痛を訴えた。現在は全員回復している。

 秋田市の少女(16)は1月20—22日ごろ、「中華deごちそうひとくち餃子」を口にし、下痢が1週間続いた。会津若松市の男性(49)も1月10日ごろに同じギョーザを食べ、下痢などの症状が出たという。
 各県の保健機関などが食べ残りや包装袋の成分を分析しているが、今のところ有機リン系殺虫剤は検出されていない。

 宮城県によると、問題の2種類のギョーザは2006年12月—08年1月、県内に約1万個出回った。
 仙台市では輸入元のジェイティフーズ(東京)の食品が25の事業所などを通じて小売店に販売された可能性があり、市は業者に問題の食品を売らないよう要請。給食を出す給食センターや病院などにも注意を促した。市生活衛生課は「問題の食品と健康被害の関連性ははっきりしないが、引き続き注意喚起する」と言う。

 青森県ではジェイティフーズの回収対象食品が約13万個流通し、約2000個を回収した。三村申吾知事は問題の食品を食べないよう県民に呼び掛ける声明を出した。
 岩手県にはこの1年間で、約22万6000個の対象商品が出荷された。うち約2万8000個の在庫が確認され、約3500個が回収された。秋田県は、問題のギョーザが県内の小売店の店頭からすべて撤去されたことを確認した。

 福島県教委は県内約370の給食施設に対し、食品の使用実態を調べるよう求めた。東根市学校給食共同調理場はジェイティフーズの冷凍食品を2月の献立から外すことを決めた。

 スーパーのジョイス(盛岡市)は一時、中国製の冷凍食品をすべて撤去したが、天洋食品製以外の食品は業者に安全性を確認し、徐々に店頭に戻している。同社は「中国製の食品は売り場の3分の2を占める。日本側が中国の工場に品質管理を徹底させてはどうか」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080202-00000020-khk-soci