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2008年02月02日(土) 14時31分

中国製ギョーザ、製造直後に段ボール梱包…出荷後は別経路読売新聞

 中国製の冷凍ギョーザを食べた人に中毒症状が相次いでいる問題で、吐しゃ物などから有機リン系殺虫剤が検出された千葉、兵庫県の3家族10人が食べたものと同じ日に製造された同銘柄のギョーザが、日本で販売されるまでの経過や保管状況が2日、明らかになった。

 中国・河北省の「天洋食品」の工場で、同じ日に製造された同銘柄のギョーザは計約2万3000袋。これらは工場で段ボール箱に詰められ、冷凍コンテナで横浜、大阪港へと運ばれた。梱包(こんぽう)は製造後すぐに行われており、殺虫剤が混入する機会は極めて限られることも浮き彫りになった。

 冷凍ギョーザの輸入元である「ジェイティフーズ」(JTF、東京都品川区)の親会社・日本たばこ産業(JT、港区)や輸入仲介商社「双日食料」(同区)などによると、兵庫県高砂市の家族3人が食べた「中華deごちそう ひとくち餃子(ギョーザ)」(20個入り)は、昨年10月1日に製造された。その日のうちに袋詰めにした上で、段ボール箱に梱包され、工場内で約1か月保管された後、同月30日に出荷。11月2日に天津の港から冷凍コンテナの船便で輸出され、同月6日に大阪港に着いた。その後、段ボール箱に梱包されたまま倉庫を経由して小売店に届けられたという。

 千葉市と千葉県市川市の2家族7人が食べた「CO・OP手作り餃子」(40個入り)の製造は10月20日。23日に工場から出荷され、29日に天津の港を出て、11月5日に横浜港に着き、段ボール箱のまま、生活協同組合の物流センターに搬送されたという。物流センターは、北海道、東北、関東、東海、関西、九州の計6か所にあるが、関東以外は実際にどこに運ばれたかは確認されていない。

 10月1日と20日の2日間に作られたギョーザのうち、1日製造分の「ひとくち餃子」は1万1472袋。20日製造分は1万1664袋で、このうち、千葉県の2家族が食べた「手作り餃子」が6816袋。残る4848袋は「ひとくち餃子」で、これについては1日製造分と同じルートに乗って運ばれた。1日製造分が約1か月間、現地に保管されたことで、20日製造分が出荷されるまでの4日間は、同時に保管されていたことになる。

 高砂市の家族が食べた商品には、包装袋に縦約1ミリ、横約3ミリの穴が開いていたことが判明し、警察当局は、製造された後の流通段階で殺虫剤「メタミドホス」が混入した可能性も排除できなくなっている。しかし、工場で製造直後に梱包されたことにより、流通段階で混入する機会は非常に限られることになる。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080202-OYT1T00389.htm