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2008年02月02日(土) 16時11分

天洋製ギョーザ、計6トン一緒に輸入 兵庫・千葉と同種朝日新聞

 中国製冷凍ギョーザを食べた兵庫、千葉両県の計10人が一時重体になるなどした薬物中毒事件で、中毒が起きた2種類のギョーザと一緒に日本国内に輸入された同種ギョーザは計約6トンにのぼることがわかった。昨年11月に大阪、横浜両港から陸揚げされ、輸入元の「ジェイティフーズ」(東京)が生協などに納めていた。これらのギョーザについて、ジェイ社側は「製品回収の対応に追われており、こちらからの流通ルートの追跡はまだできていない」としている。

 ジェイ社の親会社の日本たばこ産業(JT)によると、兵庫県高砂市の親子3人が今年1月5日に薬物中毒を起こした「中華deごちそう ひとくち餃子(ギョーザ)」は、中国河北省の「天洋食品廠公司」で07年10月1日に製造された。11月2日、このギョーザを含む「ひとくち餃子」計2.13トン(約8200袋)が天津港で船に積み込まれ、4日後の同6日にコンテナに入った状態で大阪港に陸揚げされた。

 ジェイ社は同9日の通関手続き後、同港近くの倉庫に保管。12月5日から順次発送した。「ひとくち餃子」の取引先は計136業者あるが、ジェイ社はこれらのギョーザがどの業者に渡ったか、現時点では把握していないという。

 一方、昨年12月28日に千葉市、今年1月22日に千葉県市川市で2家族計7人が中毒症状を訴えた「CO・OP 手作り餃子40個560グラム」は、天洋食品で07年10月20日に製造。このギョーザを含む「手作り餃子」3.82トン(約6800袋)は11月5日に横浜港に入り、同7日に通関手続きを終えた。同社は翌8日、発注元の「日本生活協同組合連合会」に渡し、同連合会が各地の地域生協に卸した。

 JTの広報担当者は朝日新聞社の取材に対し、「ジェイ社はすべての天洋食品製品の回収を優先し、その対応に追われている。伝票などを全部確認すれば流通ルートは分かるだろうが、今はできない」と話す。

 JT側が先月30日から始めた回収の対象は23種類に及ぶ。送料着払いで回収を受け付ける茨城県境町内の施設には、全国から返品された商品が次々と届いている。「裏切られた思いだ」などと書かれた手紙が同封されているものもあるという。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200802020048.html