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2008年02月02日(土) 23時45分

「工場に安全上問題なし」…ギョーザ中毒で中国当局者スポーツ報知

中国製ギョーザ中毒で、初めての記者会見をする「天洋食品」の底夢路工場長

 中国製ギョーザによる中毒で、中国河北省の輸出食品の安全を管理する同省輸出入検査検疫局の程方局長は2日、石家荘市内で記者会見し、問題のギョーザを製造した「天洋食品」(同市)の工場の原料や生産過程に「安全上の問題は見つからなかった」と発表、工場では中毒の原因となった有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を使用していなかったと述べた。

 現地当局が工場の生産段階で安全面での問題がないと断定したことで、ギョーザに殺虫剤が混入した手掛かりを依然つかめていないことが浮き彫りになった。現地警察当局は故意または過失による混入の可能性があるとみて捜査しているもようだ。

 天洋食品も同日、石家荘市内で中毒発覚後、初めて記者会見し、底夢路工場長は工場内の安全管理体制に問題がなかったことを強調。さらに製品の輸送はコンテナを鉛で封印して出す「ドアツードア」方式で、中国国内の輸送過程で汚染される可能性はないと述べた。

 同検疫局の程局長によると、これまで工場の生産と加工、管理にかかわる職員30人を調査したが、不審な点はなかった。日本に輸出されたギョーザ製品に殺虫剤が混入した経緯については「われわれも関心を持っている」とした上で「日中両国の(調査)協力を期待している」と述べた。

 同局によると、この工場では昨年2月からことし1月まで計24回の品質検査を実施し問題はなかったという。

 天洋食品の底工場長は「極めて驚いている。日本の消費者にお見舞いを申し上げ、患者の早期回復を心から願う」と話した。

 河北省輸出入検査検疫局は問題発覚後、中毒を起こした製品と同じ日付の昨年10月1日と20日のそれぞれの前後一定期間に製造されたギョーザ製品を検査したが、殺虫剤のメタミドホスは検出されなかった。(共同)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080202-OHT1T00249.htm