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2008年02月02日(土) 09時56分

ギョーザ中毒 保健所が検査要求断る 千葉市の患者女性 現品を持ち込み東京新聞

 中国製ギョーザによる中毒で、昨年末に中国・天洋食品製のギョーザを食べて中毒症状に陥った千葉市稲毛区の女性(36)が一月四日、市保健所に食べ残したギョーザなどを直接持ち込み検査するよう求めたにもかかわらず、断られていたことが一日、分かった。

 中国製ギョーザをめぐっては、千葉県市川市で一月二十二日、ギョーザを食べた一家五人が中毒となり女児(5つ)が一時重体になるなど重大な結果を招いているが、保健所の対応によっては防げた可能性もある。

 女性の親族や保健所によると、女性は公的機関の仕事始めとなる一月四日、食べ残したギョーザや吐しゃ物を千葉市保健所に持ち込み、異物などが混入していないか検査するよう要望した。保健所は流通状況や同様の苦情の有無などについては調査すると回答したが、ギョーザそのものの検査などについては、生協側が微生物検査をする予定であることなどを理由に断り、そのまま保管するよう求めた。

 さらに保健所は、一月二十一日、女性に対し、流通状況などの調査結果として「ギョーザと女性らの中毒に因果関係は認められない」ことを伝えて、いったん調査を打ち切ることを報告した。

 親族は「食べ残したギョーザを検査もせず、どうして因果関係がないと言えたのか。四日の時点で検査していれば、市川の事件も防げたのでは」と、行政の対応に疑問を投げかけている。

 千葉市保健所は検査しなかったことを認めた上で「当時は“点”の情報で、拡大して考えるのは難しかった。本人の納得がいかなかったとすれば反省材料としたい」としている。

 女性は昨年十二月二十八日夜、二女(3つ)とギョーザを食べた後、嘔吐(おうと)や下痢の症状を訴え入院。二女も治療を受けた。

(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008020290070630.html