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2008年02月02日(土) 15時30分

JT、サンプル調査せず=同一工場と把握しつつ−中国冷凍ギョーザ中毒事件時事通信

 中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、輸入元の「ジェイティフーズ」(東京都品川区)の親会社日本たばこ産業(JT)が、兵庫県の親子3人が冷凍ギョーザを食べて被害を受けたことを知りながら、保管していたサンプルや在庫商品の分析を行っていなかったことが2日、分かった。JT側では、JTの品質管理部がサンプル調査をすることになっている。兵庫県の問題について把握から約3週間、自社側の調査はしないまま。対応の遅さが改めて浮き彫りとなった。
 兵庫県高砂市の自営業男性(51)ら親子3人は先月5日、「手包みひとくち餃子」を食べた後、めまいや嘔吐(おうと)など、有機リン系農薬による中毒を疑わせる症状を訴えて、入院した。
 JTなどによると、この事実は同月7日、兵庫県から品川区保健センター(品川区)を通じてJTの品質管理部に連絡が入った。しかし、同社は県から問い合わせのあった過去の商品販売量や類似苦情の有無などについて回答しただけで、同一ラインで製造日が同じ商品の分析検査などは一切しなかったという。この時点でJTは、千葉市稲毛区の母子が昨年12月末に、同じ工場で製造された別の商品のギョーザを食べて健康被害が出たとの情報を得ていたが、「2つを関連付けるに至らなかった」(同社IR広報部)としている。 

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