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2008年02月01日(金) 00時00分

回収対象を給食使用  中国製冷凍ギョーザ問題読売新聞

5市町村葛巻はメニュー変更
盛岡市内のスーパーからも、中国製の冷凍食品が撤去された(31日)

 中国製の冷凍ギョーザを食べた人が中毒になった問題で、ジェイティフーズ(JTF)が中国から輸入し、自主回収の対象となっている冷凍食品が、少なくとも県内5市町村の学校給食に使われていたことが31日、県教委の調べでわかった。葛巻町では31日の給食で、JTFの「ロールキャベツ」が出される予定だったが、急きょ、国産ハンバーグに切り替えた。問題の冷凍食品を製造した中国・天洋食品から輸入していた国内の食品メーカーが、相次いで商品の自主回収を決める中、県内のスーパーなどは商品の撤去や回収に追われるなど、波紋はさらに広がっている。

県教委の調べによると、学校給食でJTFの冷凍食品を使用していたのが判明したのは花巻市、葛巻町、九戸村、矢巾町など5市町村。健康被害は報告されていないという。

 葛巻町学校給食センターでは、昨年5月にJTFの「ロールキャベツ」を提供し、31日の給食でも同じ「ロールキャベツ」を約700食出す予定だった。同センターにロールキャベツを納入した食品卸「モリレイ」(矢巾町)は急きょ、代替品の国産ハンバーグを用意した。31日早朝に矢巾町から葛巻町まで車で代替のハンバーグを運んだ田山啓三取締役は「子どもが口にしたらとんでもないことだった。今後もJTFの商品を納入する予定があるので、どう埋め合わせたらいいのか……」と頭を抱える。九戸村でも、2月4日にJTFのロールキャベツ約1500食を給食に使う予定だったが、国産のオムレツに差し替えることにした。

 一方、盛岡市では、31日の給食でJTFのものとは違う中国産のロールキャベツを出す予定だったが、別メニューに切り替えた。

 スーパーや業務用食材を扱う業者も対応に追われた。盛岡市大通の「ベルプラスワン」では、冷凍食品コーナーに並んでいたJTFのロールキャベツ9袋を撤去した。瀬川直也店長は「また中国製品かという感じ。売り上げにも響くのではないか」とため息をつく。

 県内に24店舗がある「Aコープいわて」や、盛岡市北天昌寺町の「マルイチ天昌寺店」では、自主回収の対象外のJTF商品についても扱いを見合わせた。大船渡市のデイリーポート新鮮館大船渡店は、中国製の冷凍食品約100袋すべてを売り場から撤去。「事件の影響なのか、冷凍食品の売り上げが2〜3割ほど減っている」という。

 県の調べによると、県内の卸業者が扱っている、自主回収の対象商品は家庭用が5商品、業務用が14商品。各保健所には「体調が悪くなったことと関係があるかもしれない」などとする相談が複数寄せられたが、午後4時現在、中国製冷凍食品による食中毒と疑われる事例はみられないという。

 

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20080201-OYT8T00089.htm