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2008年02月01日(金) 00時00分

県内29人不調訴え 中国製ギョーザ読売新聞

JTFの自主回収冷凍食品14校の給食で
組合員への対応に追われるいばらきコープ生活協同組合(小美玉市西郷地)

 中国製冷凍ギョーザを食べた千葉や兵庫の10人が中毒症状を訴えた問題で、県内でも31日、同じ輸入元の「ジェイティフーズ」(JTF、東京都品川区)のギョーザを食べて体調不良を起こしたと訴える人が相次ぎ、県の調査では、15市町で21家族29人に上っている。また、ギョーザ以外にJTFが自主回収対象とした冷凍食品も14校の学校給食で使われていたことや、千葉で被害が出たギョーザと同じ製造日の商品が、いばらきコープ生活協同組合(小美玉市)の各店舗で販売されていたことが新たに分かった。

■体調不良 コープ宅配が主

 県に体調不良の報告が上がっているのは、いばらきコープの宅配商品を食べた人がほとんどで、古河と土浦市内のスーパーで買った商品を食べた人もいた。31日になって、新たに店舗側からの情報が県に寄せられ、発症者数が増えた。腹痛などを訴える人は、水戸、日立、鹿嶋、土浦、取手、筑西市など県内全域に広がっている。

 鹿嶋市の20代女性は1月28日の夕食で、宅配商品の「CO・OP手作り餃子(ぎょうざ)」を食べ、翌朝、下痢の症状を訴えた。ギョーザの残りを、県が回収し、県衛生研究所(水戸市)で毒物が含まれていないかなどを調べている。古河市では、市内のスーパーで同26日に購入した「中華deごちそう ひとくち餃子」を28日夜に食べた60代の夫婦がともに約2時間後に下痢や吐き気、のどの痛みなどを訴え、症状が29日まで続いた。

 県や保健所には「10日ほど前に同じような商品を買って食べて気分が悪くなった」「中国産のピーナツを買ったが、食べても大丈夫か」といった相談が31日夕までに34件寄せられた。

■給食 メニュー外しも 

 県教委保健体育課の調査によると、県内の学校給食で、JTFが自主回収対象とした冷凍食品を出していたのは14の小中学校、幼稚園だった。県教委は該当する食材を使わないよう、市町村教委などに対し注意喚起の文書を送付した。

 つくば市の市立豊里学校給食センターは「柔らかく煮込んだロールキャベツ(トマト味)40」が昨年10月17日の献立に入っており、市内の1幼稚園、4小学校、1中学校で給食として出された。同市教委は「これまでも中国産の食材はできるだけ使わない方針でいたが、今後さらに厳しくする」と困惑していた。高萩市は、6日の市内の小中学校9校の給食で、回収対象のポークピカタを使用する予定だったが、使用中止を決めた。筑西市内の4中学校に給食を出す下館学校給食センターは、国内産も含めて当面メニューからギョーザを外す。ギョーザのイメージが悪化したため。

■飲食店・コンビニ 「不使用」の掲示

 水戸市東原のバーミヤン水戸東原店では、店舗入り口のドアに「店のギョーザは中国製ではなく、国内で生産している」「(製造元の)天洋食品の商品は扱っていない」「中国製原料を使用したメニュー(春巻きや揚げパンなど)を販売休止にした」ことを伝える3種類のポスターを掲示した。すかいらーく広報によると、系列の全店に、準備が出来次第掲示する。コンビニなども、天洋食品の製品を扱っていないことなどを知らせる告知を店内に掲示した。

■いばらきコープ 「千葉で被害」と同日に製造60袋

 千葉で深刻な健康被害が出た「CO・OP手作り餃子」と同じ昨年10月20日に製造された製品は、県内のいばらきコープ4店舗に計60袋出荷されていた。出荷先の内訳は、いばらきコープなど1都7県の生協が加盟する「コープネット事業連合」などによると、コープ水戸店に12袋、うしく店に24袋、ひたちなか店に12袋、つちうら店に12袋。

 商品が出荷され始めたとみられる12月3日以降、「CO・OP手作り餃子」は店舗で少なくとも366袋販売されたほか、1663袋が宅配されたことも分かったが、宅配分には千葉と同じ製造日の商品は含まれていない。店舗販売でも、組合員であれば、精算時に出す専用のポイントカードから、販売履歴や組合員の連絡先を確認できるため、コープ側は店舗購入者の特定を進めている。しかし、組合員以外の客に直接連絡する手段はなく、10月20日製造の商品だけでも、すべての購入者を特定するのは難しくなっている。

■スーパー 「中国製品」撤去

 県内外で133店舗を経営するスーパー「カスミ」(つくば市)は、全店舗から中国産冷凍食品すべてを撤去することを決めた。31日午前、店員が冷凍食品コーナーから中国製商品を撤去し、「安全性が確認できるまで、販売を自粛させていただきます」などと告知文を掲示した。撤去対象は61品目に上る。茨城、千葉県で13店舗を経営するマル平ストア(神栖市)も、すべての中国製冷凍食品の店頭撤去を決めた。一部の中国産の野菜や果物などの販売も取りやめるほか、水産物なども入荷取りやめを検討するという。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20080131-OYT8T00839.htm