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2008年02月01日(金) 00時00分

県内も不安広がる読売新聞

中国製ギョーザ問題

 中国製冷凍ギョーザを食べた人が中毒症状を訴えた問題で、県は31日、問題の商品を食べた県内の2家族計5人が嘔吐(おうと)などの症状を訴えていると発表し、県内にも食の安全に対する不安の声が相次いだ。各スーパーではジェイティフーズ(JTF)の冷凍商品を一斉に撤去する動きが広がったほか、那須烏山市教委は学校給食に「中国産」を使わないよう指示した。

■相談相次ぐ

 県生活衛生課によると、県南健康福祉センター管内(小山市など10市町)に住む父子は、23日にJTFの「ひとくち餃子」を購入し、26日の夕食で食べたところ、吐き気や下痢、かゆみの症状が出た。現在はかゆみ以外の症状は治まっているという。もう1家族は、県東健康福祉センター管内(真岡市など6市町)の夫婦と子供1人。下痢や腹痛の症状を訴えたが、年齢や性別、商品名など詳細は不明だという。各保健所には31日午後3時時点で「商品を返品したい」など17件の相談が寄せられた。

■撤去

 千葉県などで有機リン系殺虫剤が検出された「CO・OP手作り餃子」を販売していた「コープ若松原」(宇都宮市若松原)では、この商品をすべて撤去し、「該当商品がありましたらお持ち下さい」などと呼びかける張り紙を掲示した。大島孝店長によると、毎月20袋は販売する売れ筋商品で、「この前食べてしまった」などの問い合わせが10数件寄せられたという。

 コープネット事業連合(さいたま市)によると、とちぎコープでは共同購入で、問題の商品を1月28日〜30日に507人、中毒症状が出た昨年10月20日製造の商品が宅配された可能性がある12月初旬には116人に販売した。全購入者への電話連絡を急いでいる。

 一方、県内に14店舗展開するスーパー「かましん」(宇都宮市)は、JTFから仕入れた冷凍食品16品目すべてを店頭から撤去した。「安全が確認されるまでは販売しない」(商品部)方針だ。

■宇都宮餃子

 JR宇都宮駅で土産物のギョーザを販売する「来らっせパセオ店」では、観光客から「原料に中国産を使っていないのか」「ここのギョーザは安全か」などの声が寄せられた。宇都宮市内の79店が加盟する「宇都宮餃子会」の伊藤信夫代表理事(宇都宮みんみん社長)は、「『宇都宮餃子にも中国産の野菜が使われているのでは』という風評被害が心配だ」と、今後の客足が気がかりな様子だった。ただ、今のところ目立った影響はなく、市内のギョーザ店を訪れていた神奈川県の男性会社員(35)は「『宇都宮餃子』は心配していない」と話していた。

■学校給食

 那須烏山市教委は31日、「安全性を考え、できるだけ中国産品は使わず地産地消、国産の食材に変えるように」と、市内の給食センターなどに指示した。

 また、県教委は31日、各市町教委を通じて、各学校の給食で使用する食材の安全確保を徹底するよう通知した。県教委によると、藤岡、大平、那珂川の3町の公立小学校15校、中学校7校、県立栃木養護学校の計23校で昨年12月から1月にかけて、JTFが自主回収対象とした「柔らかく煮込んだロールキャベツ(トマト味)」を使った給食などが出されていた。いずれも健康被害などの報告はないという。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news/20080201-OYT8T00443.htm