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2008年02月01日(金) 00時00分

体調不良も 中国製冷凍ギョーザで保健所に相談殺到読売新聞

該当の食品がきちんと撤去されているか確認する保健所の職員(31日、新潟市中央区で)

 中国製の冷凍ギョーザを食べて中毒を発症したり、吐き気などの症状を訴えたりする購入者が相次いでいる問題で、県内でも31日、問題の冷凍ギョーザを食べて体調不良を訴える複数の相談が保健所などに寄せられた。各地のスーパーでは問題の商品が一斉に撤去され、保健所職員は各店舗を回って撤去を確認するなど、関係者は対応に追われた。買い物客は「この商品は大丈夫なのか」と念入りにラベルの輸入業者を確認するなど、消費者の間で動揺が広がっている。

 県生活衛生課の31日のまとめでは、新潟市を除く県内の12保健所で、体調不良を訴える相談が計3件寄せられた。

 上越市では、同市内の女性(55)と娘2人が30日昼、「ジェイティフーズ」(JTF)が輸入した問題の冷凍ギョーザ「中華deごちそう ひとくち餃子」を食べた。うち2人が下痢を発症し、翌31日になっても症状が続いたため、市消費生活センターを通じて上越保健所に相談した。病院では食中毒ではないと診断され、同保健所は、商品との因果関係は認められないとし、被害件数に含めていないが、騒ぎに困惑していた。ほかの2件は長岡市で、いずれも調査中だが、県生活衛生課は「関連性は低い」とした。

 また新潟市保健所は同日、食品・環境衛生課内に電話相談窓口を開設、同日中に25件の相談があった。うち2件は、JTFが輸入した「CO・OP手作り餃子」を県総合生協コープ女池店で購入したもので、体調不良を訴えた。市内の女性は先月、家族4人で食べ、翌日、軽い下痢などの症状。ぜんそくの持病を抱える市内の男性も先月食べ、普段は2日程度で治る程度の風邪が1週間長引いたというが、同保健所では「因果関係は不明」としている。

 このほか、「家に中国産冷凍食品があるが食べて大丈夫か」「このメーカーのものは?」といった問い合わせが23件あった。新潟市の相談ダイヤル(025・226・1565)は8日まで開設。受付時間は平日が午前8時30分〜午後5時30分、土日は午前8時30分〜12時30分。

 新潟市以外の県内12か所の保健所でも、平日の午前8時30分〜午後5時15分に電話で相談を受け付ける。週末の2月2、3日は県生活衛生課(025・280・5205)が対応する。同課は「安全が確認されるまでは決して食べないようにしてほしい」と話している。

 県内のスーパーなどは、問題が発覚した30日夕から31日にかけ、商品を撤去するなど対応に追われた。

 全45店舗で自主回収食品を扱っていたスーパー大手の原信(本社・長岡市中興野)は30日午後、問題が発覚するとすぐに商品の撤去を各店に指示。従業員らが慌ただしく商品を店頭から引き上げた。

 新潟市北区の「原信豊栄店」では30日から31日にかけ、JTFが自主回収を始めた「お弁当大人気!2種のソースのロールキャベツ」など4種類計64袋を撤去。同店の夜間店長(50)は「従業員には残業もお願いし、ほかの作業を後回しにして回収にあたった」と困惑していた。

 消費者の間では怒りの声も。買い物中の同区の男性会社員(30)は「日ごろ当たり前のように食べているので不安。行政やメーカーは検査をしっかりして、明確な結果を示してほしい」と力を込めた。同区の飲食業の女性(59)は、「中国製加工食品には何が使われているか分からず、信用できない」と語った。

 県や新潟市は31日、保健所の職員をスーパーなどに派遣し、自主回収の対象となった商品が店頭から撤去されているかなどを確認。すでに販売した店舗については、返品などを呼びかけるよう求めた。

 同市中央区の「清水フードセンターとやの店」では、新潟市保健所の職員が冷凍食品を手にとっては回収食品のリストと照らし合わす姿が見られた。

 一方、教育現場にも影響は及び、妙高市の小学校5校が今月、JTFの「柔らかく煮込んだロールキャベツ(トマト味)」を給食に使用していたことも判明。県教委によると、児童704人、教職員87人が食べたが、体調不良の訴えはなかった。

 5校は保護者に対し、文書で事実関係を通知するとともに、今後、食品の安全に慎重に対応することを伝えた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20080131-OYT8T00792.htm