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2008年02月01日(金) 00時00分

中国製ギョーザなど被害12人読売新聞

母娘腹痛や吐き気、60代男性発熱
商品の撤去と返品について案内する紙が張り出された売り場(浜松市中区のスーパーで)

 中国河北省の「天洋食品」製造の冷凍ギョーザを食べた千葉、兵庫の3家族10人が中毒になった問題で、県内でも「ジェイティフーズ」(JTF)などが輸入した中国製冷凍食品を食べて健康被害を訴える届け出が11件12人から寄せられたことが31日、県の調べでわかった。県内のスーパーなどはJTF商品の店頭からの撤去や返品対応に追われ、学校現場でも給食メニューを見直す動きが出ている。購入見合わせはほかの中国製冷凍食品にも広がっている。

 県食品衛生室によると、31日午後5時現在、県内9保健所(静岡、浜松市を含む)のうち、7保健所で電話による健康被害の届け出があった。11件の内訳は熱海1、東部4、御殿場1(2人)、富士1、西部3、静岡市1。賀茂、浜松市はゼロだった。重症者はいないという。

御殿場市内の母と娘が吐き気などを訴えたギョーザの残り(31日、県御殿場保健所で)

 このうち、御殿場保健所では、御殿場市の母親(42)と娘(15)が1月23日夜、同市内のスーパーで購入したJTFの「手包みひとくち餃子(ぎょうざ)」(260グラム)を自宅で調理して5個ずつ食べたところ、翌24日朝に吐き気やめまい、腹痛などを発症。母親は同市内の医療機関で治療を受けた。

 報道で知り、31日朝、同保健所に相談した。県では、自宅にあった食べ残りのギョーザ10個を回収し、県環境衛生科学研究所(静岡市葵区)で有機リン系農薬などが含まれていないか調べる方針。

 西部保健所でも「手包みひとくち餃子」を昨年12月上旬に食べた60歳男性から発熱、下痢の症状が出たなどの報告があった。

 健康被害を訴えた11件のうち、6件はJTFの「手包みひとくち餃子」だった。ギョーザ以外にもJTFの自主回収対象の「豚肉のごぼう巻き」(富士保健所)が1件、商品不明などが4件あった。

 このほか、健康被害はないが、「該当品を食べた」などと保健所を通じて24件の相談・問い合わせがあった。

 JTFの冷凍ギョーザを扱っていた、御殿場市内のスーパーで買い物をしていた近くの主婦(48)は、「冷凍食品は忙しい朝に作る弁当のおかずにもってこいだったので残念。健康が一番なので、中国製品に限らず、しばらく食べないようにしたい」と話していた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20080201-OYT8T00347.htm