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2008年02月01日(金) 00時00分

中国製ギョーザ県内16人吐き気・下痢読売新聞

神戸市スーパーなど緊急調査 「高くても国内産に」「外食に行くの怖い」消費者
自主回収された冷凍食品を調べる神戸市東部衛生監視事務所の職員(神戸市内のスーパーで)

 中国製冷凍ギョーザを食べた人が相次いで中毒症状を起こした問題で31日、県内では16人が吐き気や下痢などの健康被害を訴え、各自治体には多数の相談が寄せられた。県や神戸市などはスーパーなどに緊急の立ち入り調査を実施し、中国からの輸入食品を扱う企業では、自主回収が加速した。消費者からは「外食も怖い」などの声が上がり、〈中国産ショック〉の波紋が広がっている。

 神戸市は市内で問題のギョーザを販売するスーパー22店や卸売業者の冷凍倉庫2か所に緊急の立ち入り調査を行った。昨年11月以降、スーパー19店で約1500パックが販売されていたことが判明。うち18か所で在庫品計393パックを確認、返品を指示した。食中毒を起こした商品と賞味期限が同じのものはなかったが、今後見つかれば回収し、農薬などが入っていないか分析する。

 同市中央区のスーパーでは、市東部衛生監視事務所の職員4人が、商品の撤去状況などを確認し、店の責任者に客からの問い合わせ状況を聞き取った。

 また、同日夕までに県や市に「問題のギョーザを食べたが大丈夫か」などの相談が計50件を超えた。

 「商品は安全か」。市内でギョーザや肉まんなどを製造販売している中華総菜会社には、問い合わせが続いた。取引先からは食品の安全を証明するよう求められた。担当者の男性は「原料の肉や野菜はすべて国産を使用しており、問題ない」と言い、「消費者らが安心するまで地道にアピールするしかない」と漏らした。

 観光スポットの神戸・南京町。同商店街振興組合(神戸市中央区)の曹英生理事長は「これまで中国産食品の安全が問題化しても客足には影響しなかった。消費者には、南京町の商品は安全だと冷静に判断してもらっていると考えている」と話した。

 消費者の反応は過敏だ。神戸市中央区港島中町の会社員上田陽子さん(35)は「報道で冷凍庫に保存している冷凍食品の製造元や原材料をすべてチェックした。中国製がなくて安心したが、問題の商品は業務用がたくさんあり、外食に行くのが怖い」と言い、スーパーに訪れていた中央区内の主婦(38)は「中国製は安くて魅力的だけど信用できない。高くても国内産にこだわりたい」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20080131-OYT8T00820.htm