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2008年02月01日(金) 00時00分

中国製食品 スーパーなど81施設に回収商品読売新聞

食べた2人、県に相談
自主回収対象の冷凍食品を確認する従業員(松江市矢田町のさんれいフーズで)

 中国製冷凍ギョーザによる健康被害の発覚から一夜が明けた31日も、県内のスーパーや卸業者が、新たに同じ工場で製造されたと判明した商品の撤去や確認作業に追われるなど、混乱が続いた。県薬事衛生課では保健所を通じて卸業者や販売店から事情を聞いた。

 同課はこの日、卸売り、小売りなどの108施設を調査。この結果、81施設が自主回収の対象商品を取り扱っていた。健康被害がないかを含め、1日以降も調査を拡大する方針。

 県内の保健所には対象商品を食べた2人から相談が寄せられた。雲南保健所に相談した人の自宅に、食中毒を起こしたものと同じギョーザが残っており、同保健所は県内の調査機関に検査を依頼した。

 30日にジェイティフーズの冷凍食品2品目を撤去したスーパー「みしまや」(本部・松江市)は31日も、中国の「天洋食品」で製造された食材の使用が判明した、江崎グリコの「DONBURI亭 かつとじ丼」など3品目84袋を8店舗の店頭から外した。松江サティやジャスコ菅田店(いずれも松江市)でも回収対象商品を陳列棚から外した。

 フーズマーケットホック(本部・安来市)では、回収対象商品は扱っていないが、ジェイティフーズの冷凍食品については「信頼性がない」として、回収対象外の冷凍食品15品も撤去した。回収対象外の商品を購入した客から返品の申し出があり、同社は対象外でも返品に応じる方針。担当者は「これだけ食の安全性が問われているのに、なぜこんなことが繰り返されるのか」と憤っていた。

 鳥取県米子市の食品会社「さんれいフーズ」の松江営業所(松江市矢田町)では昨年1月以降、ジェイティフーズの「ポークピカタ」など自主回収対象の冷凍食品6品目を小売業者や、雲南、東出雲、斐川各市町の学校給食用に出荷。

 30日の同社からの電話で問題を知り、同日に3市町の給食センターや小売業者にファクスなどで連絡した。31日は、従業員が5品目が在庫として残っているのを確認した。1日に小売業者などから回収してジェイティフーズに送る。

 さんれいフーズ地域西部カンパニーの川島盛義・松江販売グループ長は「なぜこんなことになったのか。これまでに取引先に被害が出ていないことだけが救い」と苦り切っていた。

 風評被害も心配される。江津市渡津町のギョーザ専門店「餃子ひまわり」の女性経営者は「31日はいつもよりお客さんが少ない感じ。材料はすべて安全な国産を使用していることは常連客なら知っているのですが……」と懸念。「もう少し様子をみて客足が鈍いままなら、安全性をPRする張り紙を掲げたい」と気をもんでいる。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shimane/news/20080131-OYT8T00688.htm