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2008年02月01日(金) 00時00分

中国製冷凍食品 71店舗で回収商品販売読売新聞

健康被害?3件報告
店頭に出していた中国製の冷凍食品をすべて撤去するスーパーの従業員(岡山市奥田本町のハピーズ岡輝店で)

 中国製冷凍ギョーザの中毒問題で、県は31日、県内ではスーパーなど計71店舗が、輸入元のジェイティフーズ(JTF)が自主回収を公表した23品目を販売していたと発表した。問題のギョーザについては、健康被害に関する報告が3件(3人)あり、県は因果関係などを調べる。当面、中国製の冷凍食品の扱いを自粛する店も出るなど、波紋が広がっている。

 県生活衛生課のまとめ(31日午後1時現在)では、調査を終えた主要スーパーなど103店舗のうち、71店舗で取り扱っていた。いずれも完売したか、店頭から撤去されており、1156品が回収されている。

 報道の後、健康被害に関する通報が倉敷市、井笠の2保健所にあった。倉敷市では、60歳代の男性が1月中旬、「CO・OP手作り餃子(ぎょうざ)」を食べ、下痢の症状が出たという。また、井笠保健所には、60歳代の女性が1月29日夜と30日朝にギョーザを食べ、30日午後に嘔吐(おうと)したと、病院から報告があった。同保健所管内では、50歳代の女性が2007年9月下旬、食べた後、足のむくみが出て、現在も治療を続けているという。

 同課は「千葉や兵庫であったように食後すぐ症状が表れたケースではない」としているが、病院などを通じ因果関係を調べる。取扱店はすべて把握できておらず、引き続き流通状況を調査し、商品回収の徹底を指導する。

 県教委は各市町村教委や給食を出している県立学校を対象に調査。07年度、給食でJTFのギョーザは使われていなかった。

 スーパーなど店舗では、問題が発覚した30日夜に続き、31日も対応に追われた。

 JTFのギョーザなどを30日夕に店頭から撤去した山陽マルナカ(本部・岡山市平福)は各店舗で31日の開店前、パッケージを写真で見せ、「絶対に食べないでください。JTF全商品の返品に応じます」との通知を売り場に張り出した。その後に自主回収を発表したマルハと江崎グリコの商品を取り扱っていたことが判明。両社の商品も正午ごろ売り場から撤去した。

 天満屋ストア(本部・岡山市岡町)は、中国の工場で製造されたすべての冷凍食品の販売を当面自粛することにした。同ストアのハピーズ岡輝店(同市奥田本町)では、冷凍食品コーナーの3割が空白となったが、本部の是友秀雄課長は「絶対に安全だと言い切れない段階では、売り場に並べること自体、理解を得られない」と話した。

 買い物をしていた同市福田の主婦東山佳子さん(38)は「冷凍食品はやっぱり中国産が多いですね。表示をしっかり見て、なるべく国内産を買うようにしています」と話した。

 一方、国内製と中国製のギョーザを出していた岡山市のあるラーメン店は、当面は国内産のみを販売することにし、入り口に「中国産の餃子は使用していません」と掲示した。同店は「安全が確認できる食品を販売したい。今後、中国製は出さないことも検討する」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okayama/news/20080131-OYT8T00662.htm