記事登録
2008年02月01日(金) 00時00分

JTF回収商品県内85量販店で撤去消費者「被害前に対処を」読売新聞

 中国製冷凍ギョーザを食べた人が中毒症状となった問題で、県内では31日も、自治体が、給食への使用実績・計画を調べたり、輸入元の「ジェイティフーズ」(JTF、東京都)の回収対象商品を県内で最も多く扱っていた「生活協同組合ひろしま」(生協ひろしま、廿日市市)が電話対応に追われるなど、波紋が広がった。一方、消費者からは、「被害が起きる前に対処を」と、安全確認を求める声が上がった。

 ◆給食

 県内23市町は、学校給食に、JTFが回収対象とした冷凍食品を使っていない。熊野町を除く、22市町の学校や幼稚園へ食材の一部を提供している県学校給食会は、「もともと中国で加工された食品は使用していない」と、安全性を強調した。

 三次市や庄原市などでは、県学校給食会の食材以外に、地元産の食材にこだわる「地産地消」を実践。呉市や竹原市では、今後、中国産の冷凍食品を使わないことを申し合わせた。

 ◆生協

 昨年4月から9月にかけ、千葉県で被害の出た「手作り餃子」を1万1270個宅配していた、生協ひろしまは、この日朝から組合員らから回収対象の返品が相次ぎ、夕方までに対象の25品を含む、中国産の計94品の返品があり、職員が返金などの対応に追われた。

 また、「(JTFの)冷凍食品を買ったけど大丈夫か」「中国産の食材が使われているので不安だ」などといった電話なども、約120件寄せられた。生協ひろしまは、「回収対象品でなくても、組合員が不安に思っている以上は返品に応じていく」という。

 ◆消費者

 県が、広島市を除く県内236の量販店を調べたところ、85店舗でJTFが自主回収を決めた商品が販売されていたことが判明。この日までに店頭からすべて撤去された。広島市では、兵庫県高砂市で被害の出た「ひとくち餃子」は市内12店舗で売られていた。健康被害は報告されていないが、返品方法などを尋ねる相談などが5件寄せられた。

 広島市内のスーパーで買い物をしていた同市中区千田町の主婦、小滝美幸さん(79)は「殺虫剤が入っていたなんて信じられない。どんな食品も、必ず産地を確認してから買うようにする」。同区鶴見町、主婦平田康子さん(60)も「何か起こってからでは遅い。冷凍食品は、国産品しか買わない」と、不安そうに話した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20080131-OYT8T00650.htm