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2008年02月01日(金) 00時00分

中国製冷凍食品健康相談相次ぐ読売新聞

高校生中毒症状県や市、窓口設置
安全性をPRした張り紙を掲示するギョーザ専門店(31日午後8時16分、綾川町で)

 中国製冷凍ギョーザを食べた兵庫、千葉の家族らが中毒になった問題で、県内でも31日、ジェイティフーズ(JTF)の別の商品を食べた高松市の高校生が中毒症状を訴えるなど、県と市には健康被害を心配する相談が相次ぎ、保健所など計6か所に相談窓口を設置、スーパーや小売店では関連商品を撤去する動きが広がった。繰り返し脅かされる<食の安全>に、消費者らからは「何を買えば安心なのか」などと不安の声が上がった。

 高松市保健所は31日朝、市内のコープ3店舗を緊急に立ち入り調査した。同市扇町のコープ扇町店では、食品衛生監視員2人が、回収の対象となっているJTFなどの冷凍食品が店頭から撤去されているかを確認。消費者に注意喚起し、健康被害の情報が寄せられていないかなどを店長から聞き取りした。

 またこの日昼、10日にJTFの商品を食べた高校2年生の男子生徒(17)が下痢の症状を訴えたという相談があった。

 県と高松市が開設した相談窓口には、午後5時までに回収対象品を購入したり、食べたりした消費者から計11件の相談が寄せられた。中讃保健所(丸亀市)では坂出市内の女性が「回収対象のギョーザを家族と一緒に食べたが、大丈夫か」と訴えたという。

■スーパー

 31日朝までに、県内のスーパーのほとんどが商品の撤去を終え、各店舗では客への対応に追われた。

 対象商品を撤去したコープかがわ・中央インター店(高松市木太町)では、店員が客からの電話に、「最近食べたのであれば病院に行くように」と促した。携帯電話のカメラで撮影した別の冷凍食品のギョーザを見せ、「これは大丈夫か」と聞く客もいた。

 3歳の娘と同店を訪れた近くの主婦浅野佳枝さん(27)は「冷凍食品は弁当に使っていたが怖い。昨日は家にあるものが中国産でないかチェックした」と入念に商品の表示を見ていた。

 コープかがわは、戸別配達で共同購入している組合員についても、注意を促すダイレクトメールを送付する予定で、配達時に対象商品を回収している。

 四国で120店を展開するマルナカ(高松市)は対象の4商品を30日中に撤去。マルヨシ、新鮮市場きむら、エースワンのほか、イオン高松ショッピングセンター、ゆめタウン高松店なども店頭から引き上げた。

■学校給食

 県教委は31日、県内17市町教委と給食がある県立中学校など9校に、安全を徹底するよう文書で通知。各市町教委によると、対象商品を使った例はなかったという。

 さぬき市教委によると、小学校1校で31日、3月に予定していたギョーザの献立を別のメニューに変更。担当者は「国産だったが保護者に不要な心配をかけないために変えた」と説明している。善通寺市教委は「当分の間、中国産を使わないなどの対応も考えたい」としている。

 中国製冷凍ギョーザによる風評被害を懸念して、綾川町のギョーザ専門店「興維餃子(こういぎょうざ)館」では31日、店内10か所に「当店の餃子に使用している食材は、すべて日本国内で調達しております。どうかご安心下さい」などとする文書を張り出した。客らから問い合わせはないというが、週明けには顧客約1500人に、同様の文書を印刷したはがきを送付する予定で、経営者の王参(おうじん)さん(32)は「ギョーザすべてが危険と思われるのが心配。安心してもらいたい」と話している。

小豆保健所(0879・62・1373)

東讃保健所(087・831・1531)

中讃保健所(0877・24・9964)

西讃保健所(0875・25・4383)

県生活衛生課(087・832・3180)

高松市保健所(087・839・2865)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagawa/news/20080131-OYT8T00708.htm