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2008年02月01日(金) 02時30分

<再生紙偽装>基準満たせばJISマーク 経産省が検討毎日新聞

 製紙会社の再生紙偽装問題を巡り、経済産業省は31日、品質など一定の基準を満たした再生紙に、JIS(日本工業規格)マークを表示する方向で検討に入った。国が定めた基準に適合していることを示すJISマーク制度を活用し、再生紙の信頼を回復するのが狙い。JIS基準に適合しない製品を流通させた場合、国は立ち入り検査の実施や、販売停止を命じることができることから、問題の再発防止にもつながるとの期待もある。

 業界団体の日本製紙連合会(製紙連)が、再生紙の定義や古紙配合率のチェック方法を検討することを踏まえての動き。経産省は製紙連の策定する基準案などを同省の日本工業標準調査会に諮るとともに、有識者や印刷業界など利用者側の意見を交えて基準を詰める方針。通常はJIS基準の決定に約2年間かかるが、偽装問題の影響を考慮して議論を急ぐ考えだ。

 JISマーク制度は、製品の品質、性能、安全性などについて、国が定めた基準に適合していることを示す。国に登録した民間の認証機関が、製造工場の品質管理体制の審査や製品試験を行い、基準に適合していればJISマーク表示を認める。マークの取得は任意だが、消費者らに安全性などを示す指標として活用されている。

 ノートには、紙の白色度や強度などにJIS基準があり、マークを表示した製品が販売されている。しかし、再生紙には明確な定義がなく、これまでJISの基準はなかった。【瀬尾忠義】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000007-mai-pol