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2008年02月01日(金) 03時26分

ギョーザ中毒 494人「中国製で体調不良」東京新聞

 中国製冷凍ギョーザの農薬混入問題で、新たに全国で477人が中国製ギョーザや回収対象の食品を食べた後に体調不良になったと地元の保健所に届け出ていたことが31日、分かった。中毒が判明した10人などを含め、症状を訴えた人は計494人になった。厚生労働省は同日、全都道府県に同様の事例の報告を指示。また、製造元の中国・河北省の「天洋食品」からギョーザ以外の食品を輸入していた計19社の社名と品名を公表し、自治体を通じ各社に販売中止を要請した。中国政府は、天洋食品に全食品の製造・輸出停止などを命じ、「(中国の)警察が捜査を始めた」と発表した。

 31日夜までの共同通信などの集計で、30日に中毒が判明した千葉、兵庫両県の10人と各地で不調を訴えた7人を加えると、めまいや吐き気、下痢などの症状を訴えたのは、愛知、岐阜、三重、滋賀、長野の中部5県を含む38都道府県にわたり、青森、茨城、埼玉、神奈川、福岡などでは20人以上が不調を訴えた。有機リン系農薬「メタミドホス」との因果関係はいずれも不明で、一部には有機リン系の中毒とはみられないケースもあった。食品を食べた時期は昨年12月から今年1月に集中。大半はすでに回復、深刻な被害は報告されていない。

 厚労省によると、千葉の患者の食べ残しからもメタミドホスが検出。製造や包装過程で混入した可能性もあるとみており、同省は混入の原因が判明し次第、検査体制の見直しなど再発防止策を検討する。また日本医師会に対し、食品による有機リン中毒の疑いのある患者を診断した場合、速やかに保健所へ通報するよう要請した。

 政府は関係閣僚会議を開催。連携して被害拡大防止や原因究明を進めることを確認した。

 日本たばこ産業(JT)は31日、問題のギョーザを製造した中国の「天洋食品」の工場に社員を派遣、調査を始めたと発表した。工場に立ち入り、メタミドホスの有無や持ち込まれる可能性について、工場の品質管理責任者に聞き取るなどした。原材料の野菜の栽培にはメタミドホスを使わないことになっており、残留農薬検査の記録なども確認した。

 厚労省の公表以外に、マルハと日本ハム、日本食研も31日、天洋食品でつくった原料を使用していたとして商品を自主回収すると発表した。

(中日新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008020190032305.html