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2008年02月01日(金) 18時01分

中国製ギョーザ中毒:「食」への不信感募る、風評被害の懸念も−−自主回収 /長崎毎日新聞

 殺虫剤が混入した中国産の冷凍ギョーザによる食中毒発覚から一夜明けた31日、業者などの自主回収が進み、店頭から問題の製品は消えた。家庭や学校は対応に追われ、「食」への不信の連鎖に、健康不安の声や風評被害を懸念する声も出始めた。
 ■学校給食
 長崎市教委によると、同市の学校給食では今回の問題で自主回収となった商品は使用していなかったが、31日には17小中学校で輸入元のジェイティフーズの冷凍ギョーザを使用する予定だった。調査の結果、福岡県産と分かったが「保護者や児童・生徒たちに不安を与える」(市教委)と判断、急きょ使用をとりやめた。
 松浦市教委では、市内19小中学校の給食をまかなう3カ所の共同調理場に聞き取り調査を実施。1カ所で昨年10月、ジェイティフーズのギョーザを使用していたが、仕入れをとりまとめている県学校給食会へ問い合わせ、国内製と判明した。市教委庶務課は「価格の問題もあるが、安全を第一に考え、今後も極力国内産を使うように現場の栄養士に伝えた」という。
 ■コープ
 問題の商品を扱っていた県内の「ララコープ」(本部・長与町)も対応に追われた。
 ララコープによると、問題の「CO・OP手作り餃子」を07年3月から今月までに8093袋、同じ製造元で作られた「CO・OP本場中国肉餃子」を07年1〜9月に2839袋、それぞれ宅配販売した。そのうち、07年11月以降に購入した消費者に連絡をしたところ「食べて気分が悪くなった」との苦情が相次いだという。ギョーザとの関連はわからないが、ララコープは病院に行くように案内しているという。
 ■スーパー
 佐世保市のジャスコ佐世保店では、問題となった中国製のギョーザは扱っていなかったが、自主回収の対象となった「ジェイティフーズ」の「豚肉のごぼう巻き」や味の素冷凍食品の「ピリ辛カルビ炒飯」など3社4品目計約50個を店頭から撤去。同店の担当者によると、客から問い合わせ等もあるが、撤去作業は31日の午前中までに終え、特に混乱もないという。
 諫早市の「まるたか生鮮市場幸町店」では、ジェイティフーズの問題の商品を30日に撤去した。「お弁当大人気!豚肉の3色野菜巻き」で、約20個を冷凍食品の陳列から外した。具島誠店長は「安全、安心が大切。お客様のために迅速に撤去させていただきました」と話している。
 ■中華街
 中国産の食品に対する不信感が広がっていることに対し、約40店が加盟する長崎新地中華街(長崎市新地町)の商店街振興組合は「イメージが悪くなる。多くの店は手作りで作っているので、被害とは関係ないのに……。2月7日からはランタンフェスティバルも始まるのに影響が心配だ」と風評被害を懸念している。
〔長崎版〕

2月1日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000319-mailo-l42