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2008年02月01日(金) 16時54分

ギョーザ中毒で中国産表示に警戒心 県内にも動揺広がる(和歌山)紀伊民報

 中国産冷凍ギョーザを食べた人の中毒被害が広がっている問題は、県内の小売店や消費者に大きな動揺を与えている。紀南のスーパーマーケットでも、ギョーザを輸入販売した「ジェイティフーズ」(東京都品川区)の食品をすべて撤去したり、問題になったギョーザと同じ工場で製造されたレトルト食品を撤去したりして対応に追われている。
 田辺市東山のオークワオーシティ田辺店では、問題となったギョーザと同じ中国工場で製造された4社の5商品を撤去した。オークワグループでは、安全が確認されるまでジェイティフーズの18商品を店頭から撤去するという。
 同店は「値段の安さもあり、中国産の売り上げは一時に比べ回復してきていたのだが、(今回の問題で)冷凍食品全体の売れ行きは落ちるだろう」と話す。
 田辺市稲成町の「Aコープデリシスいなり店」でもジェイティフーズの食品をすべて撤去した。商品の返品も受け付けている。ギョーザと同じ工場で生産された他社のレトルト食品も撤去し、食品売り場に撤去を知らせる張り紙を付けた。
 同店は「消費者の間で警戒心が広がり商品に中国産の表示があると不安がっている」と話す。
買い物客に不安
 田辺市内のスーパーで消費者に今回の問題についての感想を尋ねたところ、同市下屋敷町の主婦(51)は「中国産というだけで警戒してしまう。作る側や販売する側ももっと注意してもらいたい。これからは少し高くても、国内産の食品を買いたい」と話した。
 毎日、夫に弁当を作るために冷凍食品をよく購入するという同市末広町の主婦(26)は「問題を知ってから商品の生産国を確認するようになった。店で売っている商品に農薬が入っているとは思わない」と困惑した様子。
 同市内の主婦(66)は「問題を知ってすぐ、冷凍庫に入っている冷凍食品をすべて捨てた。安くて便利なのでよく使っていたが、気持ち悪くなった」と話し、陳列された商品の裏側を入念にチェックしていた。
県が相談窓口開設
 県生活衛生課によると、中毒の原因となった2品のギョーザは和歌山市、岩出市、橋本市の3店舗に加え、御坊市の1店舗でも取り扱っていたことが分かった。県と和歌山市が1月31日までに県内227カ所の小売店と卸売業者を調査したところ、ジェイティフーズが自主回収している8品については29カ所で販売されていた。田辺保健所管内では49カ所で調査したが対象となる食品はなかった。紀南では串本、新宮保健所管内で各1カ所販売されていた。県内で健康被害の報告は、いまのところないという。
 県と各県立保健所、和歌山市保健所が1月31日、相談窓口を設置したところ消費者から「当該食品を食べたが大丈夫か」などの相談が12件寄せられた。1日現在も相談は増えている。

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