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2008年02月01日(金) 16時00分

中国製ギョーザ中毒:関連商品を一斉撤去、問い合わせも相次ぐ /島根毎日新聞

 中国製ギョーザの農薬中毒事件を受け、県内のスーパーや小売店では、同じ工場で製造された食品を一斉に撤去する動きが広がった。県などによると県内では健康被害の報告はないが、対象になった商品は賞味期限が切れていないものが多く、県やスーパーは、購入した食品は食べずに返品するよう呼びかけている。一方、消費者からは「中国産の商品だが、大丈夫なのか」との問い合わせも相次ぎ、「食の安全」に不安が広がっている。
 ◇経緯説明のチラシ−−生協しまね
 生協しまね(松江市)では、事件が発覚したジェイティフーズ製の「CO・OP手作り餃子(ぎょーざ)40個」のほか、同じ工場で製造した「本場中国肉餃子」「とろーり煮込んだロールキャベツ」の2品も扱っていた。昨年10月までに全商品の販売を終えているが、31日までのまとめでは、手作り餃子3098品、肉餃子2191品、ロールキャベツ127品を組合員の共同購入で宅配したという。
 生協しまねでは、商品を買った組合員へ31日に返品を呼びかけるダイレクトメールを送ったほか、全組合員(約3万5000人)へも今回の経緯を説明するチラシを配布する。
 雲南市木次町のスーパー「サン・チェリヴァ」では昨秋、中毒の出たジェイティフーズ製の「中華deごちそう ひとくち餃子」を特売品として144品販売した。担当者は「今のところ返品や問い合わせは来ていない」と話している。
 県東部で15店舗を展開する「みしまや」(松江市)ではジェイティフーズ製の食品2種のほか、撤去の申し入れがあった江崎グリコやマルハのレトルト丼計約300品を撤去した。
 ◇返品に応じる−−ラピタ
 出雲市内で8店舗を経営するショッピングセンター「ラピタ」でも、30日夕方から対象商品の撤去を開始。同店ではジェイティフーズが回収を発表した商品のうち5品目を扱っており、店頭からの撤去に追われた。また、他の同社関連の商品についても16商品の取り扱いがあり、すべてを撤去した。
 冷凍食品売り場には、既に商品を購入した消費者に対して、商品の回収を呼びかけるチラシを掲示。商品裏面をチェックしながら念入りに商品を選ぶ客の姿が見られた。
 小学生の子供がいるという出雲市塩冶町の主婦(38)は「どんなに商品表示を確かめても、冷凍食品では野菜の産地まではわからないですよね」と困惑した様子だった。
 同店ではすでに対象の商品以外でも、購入者から「この商品は安全か」との問い合わせ電話が相次いでおり、冷凍食品に関しては可能な限り返品に応じる姿勢だという。
 ラピタ店舗企画課の原俊成チーフは「このような混乱は初めて。冷凍食品だけでなく、冷蔵品でも中国製のものもある。いま各商品ごとに製造会社などに問い合わせをしているが、なかなか連絡がとれなくて……」と顔をこわばらせていた。
 ◇商品ない空間も−−ホック
 フーズマーケットホック(本部・安来市赤江町)も、県内9店舗、鳥取県内5店舗で、30日夕、ジェイティフーズが輸入した商品約15品、約1000パックを撤去した。
 松江市黒田町のキャスパル店でも、30日にジェイティフーズが輸入した食品を撤去。31日、冷凍食品売り場には所々、商品がない空間があった。「安全が確認されるまで、ジェイティフーズの製品を、一時販売中止いたします」という張り紙がされ、買い物客が足を止めて注目していた。
 松江市南平台、主婦、和田裕美さん(32)は「中国産は安全性が不安なので以前から買わない。パッケージを見てこれからも買わないようにしたい」と話していた。
 ◇健康被害なし−−県薬事衛生課
 県薬事衛生課によると、問題の冷凍ギョーザを食べて食中毒状態になったという情報は入っていない。また、各保健所への問い合わせも31日現在、3件に止まっている。
 同課では、31日朝から県内の7保健所を通じ、ジェイティフーズや味の素冷凍食品、加ト吉、江崎グリコで自主回収を開始した44商品の取り扱い状況を検査。午後3時現在のまとめでは、県内のスーパーなど108施設のうち、44商品を取り扱っていたのは81施設。取り扱いのあった商品は、問題となった冷凍ギョーザ2品目を含む19品目だった。また、19商品のうち、ジェイティフーズの「ポークピカタ40(業務用)」は昨年7〜9月ごろ、県内の2給食調理場で取り扱われていたという。

2月1日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000181-mailo-l32