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2008年02月01日(金) 15時01分

原因見抜けぬ検査3回=クレーム対応部署が判断−中国製ギョーザ問題・生協時事通信

 中国製冷凍ギョーザの中毒問題で、最初に千葉市で被害が判明した際、販売した生協側が原因の有機リン系薬物を見抜けない検査を3回繰り返していたことが1日、分かった。検査方針は顧客からのクレーム対応などをする部署が決めていた。
 検査を実施していたのは、関東信越地方の生協の上部団体「コープネット事業連合」(さいたま市)。
 同連合などによると、3回にわたり実施していたのは食中毒の発症を前提とした「微生物検査」。毒素や細菌の有無を調べるもので、顧客対応を行う「組合サービス管理部」が判断していた。
 問題のギョーザを食べた千葉市稲毛区の母子は昨年12月28日、「薬品くさい味がした」などと体調不良を訴えた。
 販売した「ちばコープ花見川店」(同市花見川区)から連絡を受けた管理部は、内部の「商品検査センター」で微生物検査を実施。1月4日に「異臭はあるが、食中毒ではない」との結果を得た。
 管理部は3日後、外部の専門機関「食品環境検査協会」に調査依頼したが、これも微生物検査だった。5日に起きた兵庫県高砂市の中毒については把握しておらず、被害が多発していないとして、農薬の可能性は低いと判断したという。
 管理部は同協会から15日に「微生物検査は問題無し」との回答を得た。23日には「異臭原因の成分は特定できない」との報告を受けた。
 この間、被害者からの要望を受けた形で、同協会に再び微生物検査を依頼。28日に異常なしとの結果が出た。3回の検査では、農薬検査はせずにギョーザを販売し続け、29日に千葉県警から有機リン系の農薬が検出されたことを知らされた。 

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