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2008年02月01日(金) 13時02分

中国製ギョーザ中毒:県民39人が症状訴え 厚木の学校給食でも使用 /神奈川毎日新聞

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件は、県内でも31日までに39人(ギョーザ以外の冷凍食品を食べた人を含む)が健康被害を訴えるなど波紋が広がっている。厚木市では学校給食に自主回収の対象となっている商品が使われていたことも判明。消費者から不安と不信を訴える声が上がり、行政は実態把握に追われている。【山下修毅、高橋和夫、佐藤浩、池田知広】
 県などのまとめによると、31日夕までに保健所などに寄せられた問い合わせは計106件に上った。健康被害を訴えたのは横浜市の17人や相模原市の8人など計39人。うちジェイティフーズ(東京都品川区)が輸入元となったギョーザを食べたのは24人だった。重症者はいない。
 回収対象となった「中華deごちそう ひとくち餃子」を18日に食べた藤沢市の男性(68)は20時間以上経過した19日から4日間、下痢や吐き気などに苦しみ、「胃腸炎」と診断された。相模原市津久井町の60代男性は26日朝、近くのスーパーで購入したギョーザを食べて1時間半後にめまいや吐き気などの症状が出た。市保健所が残品10個を回収して検査している。
 ただ訴えの中には「具合が悪くなった」程度の内容もあるうえ、残品がない例も多く、県生活衛生課は「商品との因果関係を特定するのは困難」とみている。
 一方、厚木市教育委員会は31日、自主回収の対象商品を1月11、18の両日、小学校給食で提供したと発表した。ジェイティフーズが輸入した業務用「柔らかく煮込んだロールキャベツ(トマト味)」で、両日に計10校・5247食が提供された。被害の報告はない。
 県教育委員会などは同日、県内すべての小中学、特別支援学校に対し、同社商品(健康被害が出た昨年10月の製造分以降のもの)が給食で提供されなかったか調べたが、厚木市以外の提供は確認されなかった。
 また、横浜市教育委員会には児童の保護者から中国産食材を給食に使わないよう求める声も寄せられたが、担当者は「2月の食材は発注しており、まったく使わないのは厳しい」と話している。同市は市内で販売されていた「手包みひとくち餃子」を検査しているが、今のところ農薬のメタミドホスは検出されていない。
 ◇主婦ら「ここまでひどいとは」「何を信じていいのか」「またか、という思い」
 県内の主婦らは31日、次々と不安を訴えた。
 横浜市中区の主婦、アリ・弓子さん(48)は「前から中国産は危ないと認識していたけど、ここまでひどいとは。仕入れ業者がちゃんとチェックしてくれないと消費者は困る。子供も小さいので、今後は中国産食品は買わないようにする」とあきれた様子。同区の主婦、池田千代さん(64)も「何を信じていいか分からない。多少高くても、安全を考えたら国産の物を買うようにしている」と話した。
 川崎市川崎区の主婦、浅野幸子さん(55)は「報道を見て心配になり、すぐに娘にも電話した。以前から中国産野菜などに不信感を持っていたので、今は必ず原産地を確認して買い物をしている。安さよりも安全を求めてほしい」と話した。同区の無職、松井三代司(みよじ)さん(77)は「中国の衛生管理が悪くなっている証拠」と不信感をあらわにした。川崎市中原区の主婦、鈴木昭子さん(60)は「またか、という思い。今のままだと何度も同じことが起きるのでは」と苦言を呈した。【梅田麻衣子、中島和哉】

2月1日朝刊

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