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2008年02月01日(金) 13時02分

中国製ギョーザ中毒:消費者困惑「何を信じたら…」 関係者、対応追われ /宮城毎日新聞

 中国製冷凍ギョーザの中毒事件で31日、県内のスーパーや関係機関は前夜に続き対応に追われた。県は食品や学校給食などにかかわる16課による「食の危機管理対応チーム」を招集して情報共有。みやぎ生協(仙台市)は宅配販売した商品の回収を急ぎ、学校給食の原材料変更など影響も広がった。消費者からは「何を信じたらいいのか」と困惑の声が漏れた。【青木純、藤田祐子、比嘉洋】
 ◆相談殺到
 県内の保健所などには同日夕までに、「体調を崩した」という4件を含む計34件の相談・問い合わせが相次いだ。4件は「食べて半月後に急性胃腸炎になった」「通常より軟便になった」など。回収対象品以外の商品に関するものもあり、県はいずれも、今回問題となっている有機リン系中毒症状の可能性は低いと見ている。
 県は回収対象商品の県内での流通状況調査を続けているが、「どの商品に該当工場の製品が使われているか、完全には把握できていない」という。
 ◆回収急ぐ
 中国の該当工場で製造された商品を個人宅配していた「みやぎ生協」は31日、配達先を戸別訪問して回収を始めた。販売先の766人(商品計785個)から、同日午後7時までに約9割にあたる704個を回収。健康被害の訴えはなかったという。
 みやぎ生協では、同じ工場で製造され、ジェイティフーズが輸入した他の冷凍食品のうち「中華deごちそうひとくち餃子」と「お弁当大人気!豚肉の3色野菜巻き」の2種類を県内で店頭販売していたことも判明。店頭に張り紙をするなどして、食べないよう呼び掛けている。
 仙台市宮城野区のみやぎ生協幸町店(今野一彦店長)でも、冷凍食品コーナーに回収の呼び掛け文が張り出され、買い物客の中には商品の原産国表示を念入りに確認する人も。
 同区の40代の主婦は「昨夜ニュースを見て自宅の冷蔵庫の冷凍食品を全部調べた。問題の商品はなかったが、家族は『中国製は食べる気になれない』と不安がっている」。50代のパート女性も「野菜の値上がりで、冷凍食品に助けられていたのに」とこぼした。
 メニューからギョーザを外す飲食店も出た。食堂チェーンを全国展開する「半田屋」(本社・同市青葉区)はジェイティフーズが扱ったものではないが、冷凍ギョーザの調理と販売を見合わせた。
 同社は「安全は確認済みで問題ないが、消費者に混乱を招かないように配慮した」としている。
 ◆給食にも影響
 県によると、学校給食についても、登米市内の4小学校、1中学校の給食を作っている同市米山学校給食センターと、大河原町内の3小学校、2中学校の給食を作る同町学校給食センターで、問題の工場で製造された冷凍食品の2月中の使用を予定していたため、変更を余儀なくされた。
 いずれも別の工場で作られた商品に切り替えて対応する。献立は同じになるようにするという。県は「センターは短時間で調理しなくてはならず、冷凍食品を使うこともある。問題商品が絶対に子供の口に入らないよう気を付けていきたい」としている。

2月1日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000128-mailo-l04