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2008年02月01日(金) 11時14分

取引ない?うちは大丈夫?…食品メーカー対応でドタバタ 中国餃子産経新聞

 中国製ギョーザ中毒事件の影響で、関西に本社を構える食品メーカーや関連企業でも対応を余儀なくされている。自社製品に問題の中国の食品加工工場、天洋食品との取引の有無を確認したり、天用と直接の取引がなくても、中国の製造会社に改めて安全基準の順守を再確認したりと、消費者から突きつけられる鋭い不安の視線にさらされており、不信を最小限に食い止めたいためだ。

【写真特集】「毒ギョーザ」

 レトルト食品「DONBURI亭かつとじ丼」に使われた冷凍カツが天洋製だったことが分かった江崎グリコ。商品在庫を回収するため、営業担当者が早朝から、得意先などへの連絡に追われた。
 発覚したのは1月30日夜。冷凍カツは加ト吉を通じて納入した。昨年2月の発売以来、現在までに約7万個が市場に出荷されている。
 グリコ自身は、天洋との取引はなかった。それでも、同社の品質保証の担当者を製造現場に派遣、現場での品質管理や異物除去の対応方法などを視察し、安全に念を入れてきた。「自社の品質保証基準はかなり厳しいのに、それでもこのような事態となった。今後のチェック方法や体制を再度検証しなければ」と困惑している。
 伊藤ハムでも1月31日午後、天洋食品との商品取引が判明。業務用商品の回収に踏み切った。当初は「中国で多くの業務用ハムやソーセージを加工・生産しているが、安全性の確認はしっかりとやっている」と強調していたが、この日午後にはは問い合わせも相次ぎ、一転、流通現場向けの対応を追われる事態となった。
 日本ハムは、天洋から業務用ソーセージと豚バラ串計4トンを仕入れており、問屋を通じて回収を開始。取引先が限られているため、個別に対応するという。
 同社は中国に「品質保証センター」を設置し、原料については残留農薬やアレルゲンの検査をしたうえで輸入してきたが、「協力工場製品や加工品へのチェック体制を見直す必要があるかもしれない」という。
 丸大食品は、中国・青海の子会社、丸魯大食品で水ギョーザなどレトルト食品を製造しており、天洋食品との取引はない。「日本の基準で安全対策に取り組んできた」と安全性に自身を示すが今回の混乱をうけ「今後さらにチェック態勢の強化もあり得る」という。
 大阪税関によると、貿易統計の品目で、ギョーザを含む「詰め物をしたパスタ」という分類があり、平成19年に海外から近畿に輸入された数量は計7018トン。全国の約3分の1をしめる。このうち9割近くの6232トンが中国製で、「ほとんどがギョーザ」(ある貿易業者)という。大阪税関は「近畿の経済規模を超える輸入量」とみており、今後さらに影響が拡大する可能性もある。

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