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2008年02月01日(金) 11時00分

中国製ギョーザ中毒:県内でも5人が症状 一部で中国製食品の撤去も /栃木毎日新聞

 農薬混入によるとみられる中国製冷凍餃子(ぎょうざ)の食中毒事件で31日、県内でも計5人が冷凍餃子を食べ、下痢や嘔吐(おうと)を発症していたと県に申告した。県内の一部スーパーでは、自主回収の対象となった商品以外の中国製食品を撤去する動きも出ており、波紋は拡大する一方だ。【塙和也、中村藍】
 ◇宇都宮餃子会が緊急役員会議
 県生活衛生課によると、31日午後5時までに、県と宇都宮市に回収対象の冷凍餃子を食べたという申告は計5件。うち2件分の計5人は、今年1月に下痢やおう吐を発症した、と訴えたという。いずれも軽症だが、発症時に病院で検査を受けておらず、農薬による食中毒かどうか県は調査を進めている。
 一方、宇都宮市内を中心に県内で26店舗を展開するスーパー「オータニ」では、ジェイティフーズが輸入したすべての冷凍食品を撤去。長崎屋(宇都宮市馬場通り)もジェイ社の食品をすべて撤去した。
 オータニの広報担当者は「ジェイ社の問い合わせ電話がパンクし、つながらない消費者が多いらしく、直接店に『この商品は大丈夫か』という問い合わせが絶えなかった。消費者の不安を取り除くための措置」と困惑顔だった。
 また、餃子店79店で構成する「宇都宮餃子会」はこの日午前、緊急の役員会議を開催。加盟店舗が餃子に中国産の原材料を使用していないか、調査を始めた。
 同会の伊藤信夫代表理事は「私たちの餃子は心配ないと思うが、万が一のことを考え、調査に踏み切った。今回の食中毒事件は同じ餃子を扱う者としてショックを受けている」と述べた。また、宇都宮みんみん長崎屋宇都宮店の中野初江店長は「風評被害を心配したが、今日は客足に変化はなく、安心した」と話した。
 ◇県学校給食会、中国産使用「やむを得ない」
 「原材料が中国産だからといって、使わないわけにはいかない」。県内の学校給食でも自主回収対象食品の使用が判明した問題で、納入していた県学校給食会は、加工食品には安価な中国産の原材料が混じらざるを得ない実情を説明した。
 問題の食品は、輸入元のジェイティフーズ(東京都品川区)が自主回収している業務用「柔らかく煮込んだロールキャベツ(トマト味)」。県教委が31日、各市町の給食センターなどに食材を納入している県学校給食会に問い合わせ、使用が判明した。
 給食で使われていたのは▽那珂川町の11小学校と3中学校で昨年4月20日と今年1月23日▽藤岡町の2中学校で昨年12月20日▽大平町の4小学校と2中学校で今年1月24日。他に、栃木市の県立学校でも昨年12月4日、宿舎の食事で提供され、計23校に上る。31日現在、健康被害の報告はないという。
 同給食会は今後、中国産の冷凍食品を納入する場合、日本人が製造工程などを直接監督しているメーカーに限定することを決めた。ただし、現段階では加工食品の農薬検査は義務づけられていないため、「メーカーを信用するしかない」と話している。
 一方、県教委は給食の食材について、「国の動向を踏まえ対応したい」と話している。【沢田石洋史】

2月1日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000023-mailo-l09