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2008年02月01日(金) 10時09分

冷凍中華 給食での使用自粛 九州の自治体 国産でも献立外す西日本新聞

 中国製冷凍ギョーザによる中毒問題で、九州の地方自治体は31日、商品流通や被害の実態把握、住民への注意喚起に追われた。学校給食で中国産の冷凍加工食品の使用自粛を決める教育委員会も相次ぎ、中には国産でもギョーザやシューマイを献立から外す自治体も出てきた。

 熊本県は関係部署が情報交換の緊密化を確認し、保健所に臨時相談窓口を設けた。福岡県も保健福祉環境事務所などに相談窓口を設け、問題の商品を扱う業者に、販売量や在庫量の報告を指示した。宮崎県はホームページに自主回収商品の一覧を掲載。「当該商品は絶対に食べず、購入先に返品を」と呼び掛けた。

 各県教委も、市町村教委に学校給食用食材に対する安全の徹底を呼び掛けるとともに、問題の商品が使われていないか、調査を急いだ。

 関係教委などによると、長崎県諫早市、同県雲仙市、大分県中津市、同県臼杵市、鹿児島市、鹿児島県日置市の幼稚園・学校給食で自主回収の対象となったジェイティフーズの商品が使われていた。日置市の伊集院学校給食センターでは1月15日、8小中学校、2700人分に「ポークピカタ」を使用。臼杵市の幼稚園給食では同21日、アレルギーのある男児に代替食として「豚肉ふんわり包み」1個を出した。すべて健康被害の報告はないという。

 佐賀県小城市教委は国内製のギョーザ、シューマイ、春巻きの冷凍食品を学校給食の献立から当分外す方針を決めた。「中国産の長ネギやシイタケが含まれているものがあり、安全が確認できるまで外す」と担当者。このうち、牛津小は31日の献立にあった国内製の冷凍シューマイを急きょ卵焼きに替えた。

 福岡県教委と福岡市教委は、安全性確保まで中国産冷凍加工食品の学校給食での使用自粛を決めた。北九州市教委は「安全性を高めるため、残留農薬や品質などの検査項目・回数を増やす検討をしなければ」とする。

 長崎県のある給食センターは「中国産食材はたくさん使っている。使用をすべてやめれば、費用面を含め食材調達が危うくなる」と話している。

=2008/02/01付 西日本新聞朝刊=

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000007-nnp-soci