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2008年02月01日(金) 10時02分

中国製ギョーザ 食中毒事件、ネットで広がる毎日新聞

 【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザの食中毒事件の情報は、中国国内でもネットを通じ広がっている。政府の強い影響下にある中国主要メディアが事件を詳細に報道しないため、ギョーザを生産した河北省の工場名など、正しい情報を求める書き込みも目立つ。食への不安が募る一方、情報が不足する中で、庶民が自衛を強いられている状況が背景にありそうだ。

 事件発生については中国の人民日報ネット版が30日夜、日本メディアの速報を引用して(1)ギョーザの商品名(2)有機リン系薬物メタミドホスの検出(3)輸入元会社名−−を伝えた。しかし、河北省の工場名やその後の被害拡大は伝えていない。

 一方、中国のポータルサイト「網易(もうい)」の掲示板には事件が発表された30日午後から、「生産した工場名を公表してほしい」「生産段階の混入なら被害者は増えるのではないか」「証拠がなければ日本側に謝罪を求めよう」などと書き込みが相次いだ。

 また、別のポータルサイト「捜狐(SOHU)」の掲示板には「中国の面目を損なう」「農薬成分が検出されたのは恥ずかしい」と反省の声も。在日中国人もネット上での意見交換に参加している模様で日本国内の報道が比較的正確に伝えられているようだった。

 北京などの高級スーパーマーケットでは無農薬をうたう「緑色食品」が山積みされているが、普通は数元(数十円)のキャベツ1個が約50元(約750円)の値段で売られている。安価で安全な食品を購入することは一般市民にとって困難な状況だ。

 「食の安全」をめぐる中国国内の報道としては、中国中央テレビが昨年7月、北京市で段ボールを混ぜ込んだ肉まんが販売されていたと報道したが、中国当局は「捏造(ねつぞう)だった」として担当記者を逮捕。その後、関連報道は下火になっていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000002-maip-cn