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2008年02月01日(金) 07時51分

中国製ギョーザ中毒、奈良県内でも6人体調不良産経新聞

 中国製冷凍ギョーザの農薬混入問題を受け、奈良県などは31日、県内でもこれまでに、中国の「天洋食品」から輸入された冷凍食品を食べた6人が体調不良を訴えたと発表した。スーパーなどでは同日も、輸入元の自主回収商品への対応などに追われる一方、消費者の間では「一体何を食べたらいいのか」という不安の声も広がった。

 県などによると、奈良市内では昨年12月末か1月初めに、ジェイティフーズ(東京都)が輸入した「ひとくち餃子」を食べた女性(57)が発症。自宅で5個焼き、1個を食べたところで味がおかしいと感じ、約30分後に腹痛やめまい、吐き気などを起こしたという。焼いた4個は捨て、残り15個を冷凍保存。この商品は、昨年10月20日で賞味期限が切れていた。

 また同市では、1月22日に同商品を食べた女性(67)が翌日、頭痛やめまいなどを起こしたほか、1月28日に同社の「豚肉のごぼう巻き」を食べた男性(42)も、翌日に腹痛や吐き気などを発症した。残品を回収し、成分を分析する。

 このほか、斑鳩町内では、神戸物産(兵庫県稲美町)が輸入した「豚肉の3色野菜巻き」を女性(53)が1月上旬に食べ、腹痛や下痢を発症。五條市では1月中旬にジェイティフーズが輸入した「豚肉3色野菜巻き」を食べた女性(19)が同様の症状を起こした。また、大淀町の男性からは「中国製の冷凍食品を食べ、下痢を発症した」と連絡があり、県吉野保健所で関連を調べている。

 一方、消費者らの間では、中国製の食品そのものに対する不信感が広がっているようだ。

 宇陀市室生区の会社員、日下志(ひがし)あや子さん(37)は「仕事をしているため、3人の子供には冷凍食品を食べさせることが多いので本当に怖い。普段から中国製のものは食べないようにしているが、外食や加工食品だと、どこで製造されたものかなかなか分からない。何を食べたらいいのかと不安」。

 奈良市内の公務員の男性(53)は「日ごろ口にするものは、即座に消費者の健康にかかわってくる。企業だけでなく、行政や監視機関も、安全性を保つようしっかり監視していかないといけない」と話していた。

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 日本たばこ産業(JT)は31日、奈良市内で2月1〜3日に予定していた未成年者の喫煙を防止する成人識別ICカード「taspo(タスポ)」のPRイベントを中止すると発表した。同社の子会社「ジェイティフーズ」(東京)が輸入した中国製冷凍ギョーザの農薬混入問題を受けた自粛措置としている。

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