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2008年02月01日(金) 09時24分

サイト企業が有害基準めぐり反発 携帯閲覧制限強化朝日新聞

 携帯電話・PHS各社は、未成年者を対象にした有害サイト閲覧制限(フィルタリング)サービスを1日から強化する。犯罪防止に向けた総務省の方針に沿った動きだが、ネット上の掲示板の閲覧が一律禁止となる場合があり、何を「有害」とするかという基準をめぐりサイト運営企業から反発が起きている。

 閲覧制限サービスについては、これまで契約時に保護者が加入意思を示さなければ、非加入扱いとなっていたが、1日からは逆に非加入を選ばない限り加入扱いとする。一部は1月から対応を始めた。既存契約者についても、18歳未満の場合は保護者の同意書を提出するよう求め、要請し続けても対応がなければ、強制加入とする方向だ。

 各社とも掲示板やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)は制限の対象。政党・宗教サイト、就職活動に使う企業のサイトなどを閲覧できない例もある。

 制限強化はネット系企業の成長も阻みかねない。昨年12月に総務省が方針を示した後、SNS最大手ミクシィの株価は日経平均株価の下落率を上回る3割超も急落。ゲームサイトでSNSを提供するディー・エヌ・エーも「時価総額が1週間で1500億円損なわれた」(南場智子社長)。

 業界では、一定の制限には理解を示しつつも「ブログ上の災害情報提供まで制限される」(楽天の関聡司・渉外室長)、「境界線の引き方を議論すべきだ」(ヤフーの井上雅博社長)と今回の規制強化への不満が強い。

 消費者団体からも「何でも制限では、結局利用されない」との指摘が出ている。規制が過剰なものでないのかどうか、今後、総務省が見直しを迫られる可能性もある。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/business/update/0201/TKY200802010038.html