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2008年02月01日(金) 03時06分

都、情報生かせず・FAX送信漏れも…中国製ギョーザ読売新聞

 今回の中国製冷凍ギョーザの問題では、関係機関の情報がうまく集約されず、対応の遅れにつながったことが明らかになってきた。

 東京都や品川区によると、兵庫県高砂市で1月5日、JTFが中国から輸入した冷凍ギョーザを食べた家族3人が、有機リン中毒を疑わせる症状を発症しているとの連絡が、同7日に同県から都に寄せられた。

 都はこの情報を、JTFの本社がある品川区に伝えて調査を要請し、同区保健センター職員がJTFの食品管理室に電話で聞き取り調査を行った。

 その際、JTFからは、〈1〉2007年6月、消費者から「ギョーザを食べて体調不良になった」との電話が、JTFの販売店にあった〈2〉同年8月、居酒屋から「ギョーザを食べた客が味がおかしくて吐いた。下痢もしている」と届け出があった−−ことが報告された。品川区の担当者は都にもこの情報を伝え、兵庫県にも連絡された。

 しかし、行政側が兵庫県のケースとこの2件を、結びつけて対応を取ることはなかった。その後、22日には、中国の同じ工場で製造されたギョーザを食べた千葉県市川市の家族5人が、吐き気や下痢の症状で病院へ搬送される事故が発生。都と品川区は30日になってJTFに立ち入り調査に入り、警察当局やJTなども事実を発表した。

 一方、都は31日、7日に兵庫県から連絡を受け、品川区側に調査を依頼した際、農薬中毒症状を示す書類を誤ってファクスしていなかったことを明らかにした。都は食中毒が起きた状況などを示した4枚の報告書をファクスで受け取り、同区保健センターにJTFへの調査を要請するとともに、この報告書もファクスした。しかし、「患者の血中コリンエステラーゼ活性が低くなっている。縮瞳(しゅくどう)もみられる」と、農薬中毒を疑わせる症状を記載した4枚目の報告書を送らず、誤って問題の商品の写真を送付してしまったという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000003-yom-soci