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2008年02月01日(金) 20時15分

薬物ギョーザ、五輪にも影 組織委「天洋は無関係」強調朝日新聞

 中国製冷凍ギョーザの薬物中毒事件は、開幕まで半年あまりに迫った北京五輪にも影を落としている。北京五輪組織委員会は「問題のギョーザをつくった天洋食品廠公司は五輪とは無関係」と強調している。

 選手村で使われる食材は大半が中国産。組織委によると、冷凍ギョーザは天洋食品とは別の大手中国メーカー「思念食品」(本社・鄭州)が納入する。牛肉や豚肉、食用油、米など他の食材も含め、天洋食品が納入する契約は一切ないとしている。

 組織委向けの食材を生産する大規模農場の責任者によれば、選手村での食材は、野菜なら有機栽培に限るなど組織委や国際オリンピック委員会(IOC)が定める規定を満たさなければならない。このため、一般市場向けの食材とは別に生産するという。

 組織委は五輪中、無線ICタグや全地球測位システム(GPS)を使い、生産地から食卓まですべての流通過程を監視して、万全を期する構えだ。「食材の納入業者になるには我々の厳格な基準を満たす必要がある。問題はない」とする。

 ただ、天洋食品も中国国内では優良企業とされてきただけに、「選手村内の食事なら大丈夫」との各国の信頼は揺るぎかねない。組織委の問題意識が現場にどこまで浸透しているかも不透明だ。 アサヒ・コムトップへ

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