和歌山、大阪などで１３８店舗を展開するスーパー「オークワ」（和歌山市）は、中毒が発覚した３０日にジェイティフーズの冷凍食品を撤去。３１日は新たに、味の素冷凍食品、江崎グリコ、マルハの該当商品も店頭から外した。秘書・広報課の担当者は「今回のケースは小売店ではチェックできない。メーカーや商社はもっとしっかりしてほしい」と要望する。
大阪市天王寺区のスーパーにある冷凍食品売り場で３１日午後、大阪市保健所から派遣された食品衛生監視員が、中国の天洋食品が製造した該当商品の回収状況などを調査した京都府内に１５店舗を持つスーパー「マツモト」（同府亀岡市）は、ジェイティフーズの冷凍食品２３種類すべてを３０日中に店頭から外した。スーパー「平和堂」（滋賀県彦根市）も同日夕、「豚肉のごぼう巻き」を撤去するようジェイティフーズから要請を受け、２１店舗で回収。３１日早朝には、江崎グリコからも「ＤＯＮＢＵＲＩ亭シリーズ」撤去の要請を受けた。
スーパーや百貨店、小売店などに対する自治体の立ち入り調査も始まった。京都市南保健所は食品衛生法に基づき、職員２人が午前１０時から同市南区のスーパーに入った。大阪市保健所も市内２４区の各保健福祉センターを通じ、スーパーなど約５００の量販店を対象に立ち入り調査した。
被害者が出た兵庫県は、各地の健康福祉事務所を通じ、ほかに中毒患者がいないか確認を進めている。さらに、県内のコンビニやスーパーなど４６業者に、（１）「天洋食品廠公司」の食材を使用した商品の撤去（２）消費者への積極的な情報提供——などを求めるファクスを送付。担当者は「再発防止のためにも、連絡態勢の問題などを検証する必要がある」と話す。
広島市南区の広島県立総合技術研究所保健環境センターは３１日、県内で回収されたギョーザなどの冷凍食品の検査を実施。有機リン系農薬の有無を調べた。結果は２、３日後に判明するという。中国四国農政局広島農政事務所も３１日夕、スーパーなどへの緊急巡回点検を始めた。