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2008年01月31日(木) 00時00分

天洋食品商品、19社が輸入 厚労省、販売中止要請朝日新聞

 千葉・兵庫両県で有機リン系薬物が混入された中国製ギョーザを食べた計10人が下痢や嘔吐(おうと)などに見舞われた薬物中毒事件で、厚生労働省は31日、問題となった冷凍ギョーザを製造していた中国の食品会社「天洋食品廠公司」の商品を輸入していたのは計19社で、07年1月から約1年間の輸入量は計3845トンに上ることを明らかにした。ギョーザ以外の商品はビーフジャーキーや塩蔵ニンニク、冷凍トンカツ、肉まんなどで、同省は安全性が確認されるまで同公司の全製品の販売・使用を中止するよう都道府県を通じて関係業者に要請した。外食産業を中心に商品回収の動きが広がっている。一方、中国当局は天洋食品の責任者の事情聴取に乗り出した。

 厚労省によると、07年1月から今月30日までに天洋食品廠公司から輸入された食品は、ギョーザが1307トン、それ以外のロールキャベツや牛丼、酢豚の具などが計2538トンで、同公司からの輸入量は計3845トンに上る。

 輸入業者は、問題となった冷凍ギョーザを輸入した「ジェイティフーズ」(本社・東京)を含む東京、大阪、兵庫、愛知などの計19社で、食品会社などに納入されたと見られる。

 30日夜から始まった各社の自主回収の動きは一夜明けた31日、さらに加速。天洋食品製造の23品目の自主回収を発表していたジェイティフーズに加え、加ト吉(香川県観音寺市)が20品目、味の素冷凍食品(東京都中央区)が2品目、江崎グリコ(大阪市)も1品目の回収を決めた。

 さらに、水産大手のマルハ(東京都千代田区)や食肉加工大手の日本ハム(大阪市)も31日、それぞれ2品目の自主回収を公表。カネテツデリカフーズ(神戸市)も4品目、日本食研(愛媛県今治市)も1品目の自主回収を決めた。

 回収は小売業界にも拡大。ローソン(東京都品川区)は31日、天洋食品製の業務用冷凍食品3品の販売を中止。大手スーパー西友(東京都豊島区)もジェイティフーズの回収対象商品を撤去したうえで、同社の冷凍食品の販売中止を決めた。学校給食のメニューを見直す動きも出ている。

http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK200801310043.html