中国製冷凍ギョーザを食べた県内と兵庫県の計１０人が激しい食中毒症状に見舞われた問題は、消費者の食に対する信頼をまたも根底から突き崩した。薬物混入が発覚したのは、お弁当のおかずなどとして家庭で広く利用されている総菜用の冷凍食品。問題の冷凍ギョーザのほかにも、同様の被害が出る恐れがあるとして回収対象となった商品が多数あり、スーパーなどは対応に追われ、買い物客らは「不安でたまらない」などと顔をこわばらせた。
問題の冷凍ギョーザ「手作り餃子」が販売された「コープ市川店」によると、同商品は管理データの残る昨年１０月２１日から今月２８日までに計３５２袋販売された。市川保健所から連絡を受けた２９日、店頭から撤去した。
同店では店舗入り口と外窓、ギョーザの販売コーナーには「お詫(わ)びとお知らせ」とした紙を張り、「消費者のみなさまに多大な心配と迷惑をかけ、申し訳ございません」と謝罪。健康被害が出たとして、注意と商品回収を呼びかけた。
一方、千葉市花見川区の「コープ花見川店」によると、同店は同市稲毛区の主婦（３６）が食中毒症状に見舞われた約２時間後の昨年１２月２８日午後８時ごろ、主婦宅から店に問題のギョーザを持ち帰り、午後１０時ごろ、店舗にあった１０パックほどを自主回収した。同店側は「当時は通常の食品トラブルと思っていた」としている。同店は３０日、店頭にあった、豚肉の野菜巻き９パックも自主回収した。
「コープ市川店」で買い物をしていた市川市の主婦（３２）は「コープは食品の安全管理をきちんと行っていると思い、信用して利用していた。まさか、こんなことになるなんて」と話し、同市の２０歳代の女性は「中国産の野菜などは残留農薬が問題になっており、国産に比べ安いが、買わないようにしていた。他人事ではないと恐ろしくなった」と表情を曇らせた。
一方、県警は３０日午後４時から、千葉市中央区の県警本部記者室で、報道陣を前に、藤崎雄一・捜査１課長が事案の概要を説明。「同じ種類のギョーザを購入している方は絶対に食べないでほしい」と呼びかけた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20080131-OYT8T00089.htm