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2008年01月31日(木) 00時00分

中国製ギョーザ中毒 県内でも下痢など症状読売新聞

ジェイティフーズ輸入冷凍食品 因果関係調査へ
中国製の冷凍ギョーザ撤去を知らせる張り紙が張られたスーパーの売り場(30日午後8時28分、横浜市中区で)

 中国から「ジェイティフーズ」(東京都品川区)が輸入した冷凍ギョーザから農薬が検出され、食べた人が入院するなどした問題で、県内では、同社が輸入した冷凍食品を食べた3人が下痢などの症状を訴えていたことが30日分かり、スーパーなどから同社の冷凍食品の回収や撤去が一斉に始まった。横浜市は食品専門監視班がスーパーを緊急調査。同社の冷凍ギョーザを扱っていた33店に販売禁止を命じた。

 県によると、小田原市の母親(28)と女児(3)は25日夜、千葉県で有機リン系農薬が検出された「中華deごちそう ひとくち餃子(ぎょーざ)」を食べた約30分後に母親が頭痛や吐き気などの症状が出て、女児は下痢をした。

 また、秦野市の男子高校生(16)は29日昼、「お弁当大人気! 豚肉のごぼう巻き」を食べ、30日朝に下痢の症状が出たという。いずれも症状は軽いという。

 いずれも報道を受け、保健所などに連絡してきたといい、県は同社商品との因果関係の調査を始めた。

 横浜市保健所は、市内169のスーパーを緊急調査し、33店が農薬が検出された冷凍ギョーザを扱っており、販売禁止と店頭から撤去を命じた。

 33店が扱っていた「ひとくち餃子」は兵庫県高砂市で3人が食中毒症状を訴えていた。中国の工場で製造され、ジェイティフーズが輸入していた。

 市保健所は、ギョーザを市衛生研究所(磯子区)に送り、農薬が含まれていないか検査する。

 生協連合会ユーコープ事業連合(横浜市港北区)は、農薬が検出されたギョーザと同じ中国の工場で製造された「CO・OP本場中国肉餃子」を2006年11月〜昨年9月、神奈川、静岡、山梨の3県で約3万世帯に宅配で販売していた。

 今のところ、体調不良の訴えはないとしているが、冷凍庫に商品が残っている可能性があるとして、31日から、購入者にはがきを送って回収を呼びかける。

 相鉄ローゼン(横浜市西区)は、50店で扱っていた「ひとくち餃子」の売り場からの撤去を店に指示した。

 同社広報によると、在庫は各店とも数個と少なく、食べて体調が悪くなったなどの連絡は入っていないという。

 また、スーパーマーケット「フジ」を展開する富士シティオ(横浜市中区)は、昨年11月まで入荷があった「お弁当大人気!」シリーズの「豚肉のごぼう巻き」「2種のソースのロールキャベツ」の自主回収対象商品以外にも、ジェイティフーズの冷凍食品をすべて撤去した。「お客様の混乱を招く可能性があり、決断した。売り場に大きなスペースが空くが、仕方がない」(同社広報)としている。

 ジェイティフーズが輸入した食品のほか、中国製冷凍食品の撤去の動きもあった。店側は消費者の混乱を避けるためとしている。

 横浜市中区のスーパーは、ジェイティフーズの商品は扱っていなかったが、客から商品の安全性に関する問い合わせがあり、中国製冷凍ギョーザや春巻きなどを店頭から撤去した。売り場に、「ジェイティフーズとは関係のない工場で生産されましたが、一時撤去し、安全確認ができたら再販売します」との張り紙が掲げられた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20080131-OYT8T00153.htm