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2008年01月31日(木) 21時09分

中国当局が現地調査開始も問題なし…サンプルから農薬検出せずスポーツ報知

 中国の国家品質監督検査検疫総局の当局者は31日、北京で緊急記者会見を行い、中国製ギョーザによる中毒について、河北省石家荘にある製造元「天洋食品」の製造工場が昨年10月に生産し、保存していた問題の製品のサンプルを検査した結果、農薬の有機リン系殺虫剤「メタミドホス」は検出されなかったと述べた。

 会見した同総局輸出入食品安全局の王大寧局長は、河北省の警察当局が現地入りして捜査を始めたと表明。同総局の専門家を近く日本に派遣し、日本との共同調査を行う考えも明らかにした。

 また、関係企業に輸出を直ちに停止させるとともに、製造元に対し、日本の輸入業者と連絡を取り、自主的に製品の撤去と回収を進めるよう命じたと述べた。

 中国側が調査したのは、日本で中毒を起こした製品と同じ日付の昨年10月1日と20日に製造した、それぞれ13グラムと14グラムのサンプル。30日夜に現地入りした同総局の調査員が31日早朝に検査した。現在使用している原料からもメタミドホスは出なかった。

 王局長によると、昨年輸出する時点で原料の白菜やショウガなどの農薬検査を実施、合格しており、工場内の生産記録も完全にそろっていた。

 王局長は、この工場は2004年8月に品質問題があったほかは「安全面で信頼できるレベルだった」と指摘。現時点で問題の農薬は「(日本の被害者の)吐いた物と包装の袋からしか見つかっていない」と強調した。

 一方、劉建超外務省報道局長は31日の定例会見で、中国政府として今回の事態を極めて重視していると強調。中毒になった日本の消費者の容体に関心を持っており早期回復を願うと述べた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080131-OHT1T00156.htm