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2008年01月31日(木) 13時49分

中国製ギョーザ 『もっと規制強めて』 開店から返品続く東京新聞

 中国製ギョーザによる中毒で、発覚から一夜明けた三十一日午前、製造元の「天洋食品」(中国河北省)製の冷凍食品が、各地のスーパーから次々と撤去された。買い物客には「大丈夫か」「中国産の食品は買わない」と不安や戸惑いが広がる。スーパーからは「あらゆる食品に中国製原料が入っている。どうすればいいのか」と悲鳴も聞かれた。 

 「先週、コープで中国の食品工場を紹介したビデオの鑑賞会があり『中国産の食品も安全』と説明されたばかり。今回の食中毒は残念ですね」

 東京都西東京市の「コープひばりが丘店」。この日午前、買い物に訪れた同市の主婦(30)は、表情を曇らせた。「中国産の加工食品は買わなかったが、これからも産地を慎重に確認します」

 別の主婦(36)は一歳の男の子を抱きかかえながら「残留農薬の問題で中国産の野菜には注意していたが、ほかの加工食品はそれほど中国産を意識していなかった。まだ体が弱い子供が食べるものだから、本当に注意しないと怖い」と話した。

 同店ではジェイティフーズの中国産冷凍食品の自主回収商品のうち「CO・OP手作り餃子」と「豚肉の3色野菜巻き」を販売。二商品は既に撤去し、冷凍食品売り場とサービスカウンターに「決して召し上がらず、店舗に連絡ください」との告知を出した。

 昨夜から「購入したが大丈夫か」など数十件の問い合わせがあり、数人に代金を返却。霜山弘和店長(35)は「現段階では自主回収商品だけ対応している」と話した。

 足立区のイトーヨーカドー綾瀬店。近所の女性会社員(59)は「店頭に並ぶ前の段階で何とか食い止められなかったか。もっとチェックや規制を強めてほしい」と不安げな表情を見せた。

 同区の主婦(67)も「以前から中国産のものは買わないようにしている。友人は生協の商品が安心だと買っていたが、その信用が覆された」と話した。イトーヨーカ堂はジェイティフーズが輸入した問題のギョーザを全国百七十九のイトーヨーカドーのうち百十一店で販売していたが、三十日中に撤去した。

 中毒症状を起こした母娘二人が商品を購入した千葉市花見川区のコープ花見川店の冷凍食品コーナーでは三十一日朝、買い物客がしきりに商品の原産国の表示を確認している姿が目立った。

 五十代の女性は「冷凍食品は日本で作っていると思い、原産国はあまり気にしていなかった」と不安げな様子。同店の川上保史店長(45)は「返金してほしいとの要請が昨夜は四件あった。今日も返金を求めたり苦情を言ったりの電話がきている」と話した。

 同じく中毒症状を起こした千葉県市川市の家族五人が冷凍ギョーザを購入した同市のコープ市川店では、午前十時の開店から約一時間だけで七件の返品が相次いだ。

 この家族五人のうち小学四年男児(10)と二年男児(8つ)の兄弟が通う市川市立信篤小学校の石黒卓嗣校長(60)は「(二人は)元気に回復しつつあるようだ」と語った。二十六日夕、二人の担任と同県浦安市内の病院に見舞いに行ったところ、二人は点滴を受けながら食事を取り、魚などをしっかり食べるまでに回復していたという。

 二人は「晩ご飯を食べていたらおなかが痛くなって、訳が分からなくなった」と話したという。

(東京新聞)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008013190134913.html