記事登録
2008年01月31日(木) 06時50分

中国製ギョーザで10人中毒症状 千葉・兵庫、殺虫剤成分を検出東京新聞

 中国の工場で製造、輸入された冷凍ギョーザを食べた千葉、兵庫両県の3家族計10人が昨年12月以降、下痢や嘔吐(おうと)などの食中毒症状を訴え、9人が入院したことが30日、分かった。千葉県市川市の女児(5つ)は一時意識不明の重体となったが、全員が回復したか、快方に向かっている。3家族の食べ残しから有機リン系の殺虫剤「メタミドホス」が検出され、両県警は製造過程などで混入したとみて業務上過失傷害や食品衛生法違反の疑いで捜査している。同じ冷凍ギョーザなどを食べた4県の計7人が体調不良を訴え、各県などが因果関係などを調べている。

 輸入元の日本たばこ産業(JT)子会社「ジェイティフーズ」(東京)は謝罪し、同じ工場で製造された冷凍食品計23商品の自主回収を始めた。厚生労働省は同工場からの食品の輸入自粛を求めている。中国当局は30日「調査を始めた」との声明を出した。

 JTや各県警などによると、最初の被害は昨年12月28日。千葉市稲毛区の女性が地元生協で「CO・OP手作り餃子(ぎょうざ)」(40個入り、399円)を買い、娘と一緒に食べたところ中毒症状が出た。

 次いで兵庫県高砂市に住む自営業の男性(51)の家族3人が今月5日に「中華deごちそうひとくち餃子」(20個入り、294円)を食べて吐き気などを訴え、男性は膵炎(すいえん)を併発した。

 一時重体の女児と飲食店員の母(47)、兄姉の計5人は22日に生協で「手作り餃子」を購入し、食べた。母や兄姉も重症で入院した。

 体調不良を訴えているのは、秋田市の夫婦、埼玉県所沢市の女性、神奈川県小田原市の3人、熊本市の女性。

 「手作り餃子」と「ひとくち餃子」は、それぞれ昨年10月20日と同月1日に河北省石家荘市の「天洋食品」の工場で製造、包装して輸入された。両日製造された「手作り餃子」と「ひとくち餃子」は計約1万5000袋という。

 有機リン系殺虫剤の「メタミドホス」は、輸入農産物の残留農薬として微量が検出されるケースはあったが、健康への影響が確認された例はないという。千葉県警は製造過程のほか、ギョーザを包装する際に混入した可能性があるとみている。

 一方、加ト吉(香川県観音寺市)や味の素冷凍食品(東京)、江崎グリコ(大阪市)などは30日、天洋食品から冷凍食品やその材料を仕入れていたなどとして、関係商品の自主回収を決めた。

◆各社の問い合わせ先

【ジェイティフーズ】 フリーダイヤル(0120)700642

 <商品の送付先> 〒306 0497 茨城県境町西泉田1437の2 JT品質管理部

【味の素冷凍食品】 フリーダイヤル(0120)303010

 <商品の送付先> 〒370 0523 群馬県大泉町吉田1210の5 味の素冷凍食品品質管理部

【江崎グリコ】 フリーダイヤル(0120)917111

 <商品の送付先> 〒555 8502 大阪市西淀川区歌島4の6の5 江崎グリコお客様相談センター

【加ト吉】 フリーダイヤル(0120)087578

(共同)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008013190032336.html