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2008年01月31日(木) 22時28分

<中国製ギョーザ>天洋食品、労働争議で不評 工場周辺緊張毎日新聞

 【石家荘(中国河北省)大塚卓也】中国製冷凍ギョーザの中毒事件で、製造から袋詰めまでを担当した河北省食品輸出入公司天洋食品工場の正門前は31日、計250人を超える報道陣と見物人が詰めかけた。当局の担当官が厳しい表情で立ち入ると、周辺は一挙に緊張に包まれた。同工場は度重なる労働争議で地元の評判も極めて悪く、元従業員からは「利益偏重」との批判が相次いだ。

 午後1時過ぎ、2台の車に分乗した河北省輸出入検疫総局の幹部は報道陣に「問題を重視し、大人数で真剣に調査している」と説明。日本の商社が調査に来ることに対して「われわれの独自の調査を信用して欲しい」と厳しい表情で述べた。

 午後4時40分過ぎには、検査当局の係官と思われる7〜8人の男性が、工場敷地内に止めた黒塗りのワゴン車に段ボールを積み込んだ。証拠物件を押収したとみられる。

 正門は固く閉ざされ、食材を運びに来たトラックが立ち往生した。運転手らは警備員と押し問答の末、憤然として立ち去った。

 一方、工場周辺に住む関係者からは、同社の利益偏重を指摘する声が相次いだ。昨年12月末に工場を解雇されたという女性(45)は「男女を問わず40歳以上の人は全員解雇された。従業員の中には『農民工に保険はかけられない』と幹部から言われ口げんかになった人もいる」と話した。

 昨夏から工場を出産休暇中の20歳代の女性は「農民工に月1000元(約1万5000円)程度の薄給で長時間労働を課す一方、幹部たちには多額のボーナスが年末に支払われていると聞いており、工場に戻るつもりはない」と憤った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080131-00000165-mai-soci